2015年9月10日21:38
野村総合研究所(NRI)は、家電量販店やクレジットカード、携帯電話など、国内11業界の主要企業が1年間に発行するポイント・マイレージを現金換算した「年間最少発行額」について、2013年度実績の推計および2020年度までの予測を行い、発表した。
11業界は、家電量販店、クレジットカード、携帯電話、ガソリンスタンド、航空、コンビニエンスストア、総合スーパー、インターネット通販、百貨店、ドラッグストア、外食となり、ポイントプログラムサービスを提供中かつ、売上が上位の企業を対象としている。また、推計するポイント・マイレージの発行額は、各業界で集計対象とした企業の数が限られていること、また、来店キャンペーンなど購買金額にかかわらず発行されるものや特別会員向けなどの追加発行ポイントを除いているため、「年間最少発行額」としているそうだ。
NRIでは、国内11業界の主要企業が2013年度に発行したポイント・マイレージの最少発行額は、8,506億円と推計され、その3分の2は、家電量販店、クレジットカード会社、携帯電話事業者により発行されているとみられると予測した(図1、表1)。
2014年度は、家電量販店をはじめとした業界で消費増税前特需(2013年度)の反動による売上減少が影響し、最少発行額も一時的に8,312億円まで落ち込んだが、2015年度以降、発行額は堅調に伸び続け、2020年度には1兆92億円に達する見込みであるとしている。
一部の企業で売上高が減少したり、ポイント還元率の低減が行われたりするものの、全体としては各社でポイント付与の対象会員数やポイント適用率が年々高まるため、ポイント・マイレージの発行規模は2020年度まで拡大し続けていくと予測している。
業界別の最少発行額の推移をみると、2013年度は「ガソリンスタンド」や「携帯電話」、「航空」といった業界の増加額が大きくなっているが、これらはいずれも、各社の売上増加がその主な要因としてあげられるという。
NRIでは、2014年から2020年度までにポイント発行規模のさらなる拡大が見込まれる業界として、「クレジットカード」や「インターネット通販」、「コンビニエンスストア」を挙げた。「クレジットカード」と「インターネット通販」については、ポイント適用率や還元率に変化はないが、全体としての商取引額が今後も拡大すること、また「コンビニエンスストア」については、商取引額やポイント還元率に大きな変化はないが、ポイントカードを保有・利用する顧客の割合が高まっていくために、結果としてポイント適用率が大きく上昇することが、それぞれ拡大の要因となるそうだ。