2015年7月29日8:26
Tポイントと連携して地域活性化を目指すふるさとスマホが設立
健康促進、見守り、地方創生などへの活用を想定
スマートフォンを利用して、高齢者サポート・健康増進など、地域活性化を実現させることを目的とした「ふるさとスマホ株式会社」が2015年7月28日に設立された。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の子会社であるCCCモバイルの100%出資会社となり、資本金は4,000万円。ふるさとスマホでは、地域自治体などと組み、共通ポイントサービス「Tポイント」を活用した高齢者サポート・健康増進・地域活性化を目指す。同日には全国町村会館で記者会見が行われた。
前武雄市長の樋渡啓祐氏が社長に就任
南砺市長、奈良市長、東大阪市長、鞍手町長が発起人に
超高齢化の進展、独居高齢者の増加、医療費の増加など、地域課題の解決は喫緊の課題だが、ふるさとスマホでは、これらの問題を、CCCの企画力とグループ会社が提供するスマートフォン「TONE」を中心としたテクノロジー、5,431万人が利用する共通ポイントサービスTポイントとの連携をもとに解決を図り、さらに地域活性化、地方創生につながる事業を推進していくそうだ。
具体的には、健康促進、見守り、地方創生などへの活用を想定している。 ふるさとスマホの代表取締役社長には、前武雄市長の樋渡啓祐氏が就任。同氏は武雄市長を約9年務めた実績があり、CCCとは武雄市図書館で連携しているが、「この日本で最も地方のことを深く知る会社」としたうえで、超高齢化の進展、独居高齢者の増加、医療費の増加などを企画していきたいとしている。
同氏は武雄市長時代、スマホ事業を行うことを模索していたというが、当時は実現できなかったそうだ。 具体的な事業については、全国の有志自治体で組織された「自治体スマホ連絡協議会」で呼びかけをして、全国70自治体の参加を募るが、富山県南砺市長、奈良県奈良市長、大阪府東大阪市長、福岡県鞍手町長が発起人となるそうだ。
参加した富山県南砺市 田中幹夫市長は、「ソフトの力で心をつないでいきたい」と述べた。スマホに関しては、高齢者へのサポートはもちろん、歩数計など、健康ツールとしての活用への期待を示した。
奈良県奈良市市長の仲川元庸氏は、10年後には介護に必要な人材として5,000人ギャップが出るとしたうえで、奈良市ではこれまでも万歩計や緊急コールなどの取り組みを行ってきたが、「スマホはオールインワンで取り組みができます」とメリットを述べる。また、民間企業と組み開発されるサービスで、生活の質を上げ、健康寿命を延ばしていきたいとした。
大阪府東大阪市長 野田義和氏は、民間企業とコラボレーションしてスマホ事業を政策課題として検証し、行政改革を進めながら、住民サービスのレベルアップにつなげていきたいと説明した。 福岡県鞍手町長 徳島眞次氏は、「農業者が温度管理、天気管理、情報管理などへスマホを活用してもらえれば便利」であるとした。
「健康ポイント」へのTポイント活用も想定
自治体スマホ連絡協議会では70の自治体を募る
ふるさとスマホでは、共通ポイントサービス「Tポイント」との連携も図ることになっている。Tポイントは現在、累計1億7000万枚が発行されているが、名寄せ後のアクティブユニークユーザーは5,431万人となっている。また、128社30万弱の提携店舗でポイントを貯めたり、使ったりすることが可能だ。
Tポイント・ジャパン 取締役副社長 北村和彦氏は、「南砺市では41.7%、奈良市は43.7%、東大阪市では47.1%と50%近い方にお持ちいただいており、インフラ的にご支持をいただいています」と話す。ふるさとスマホでは、健康促進において「健康ポイント」なども想定されているが、Tポイントの具体的な活用方法についても協議していく方針だ。
ふるさとスマホでは、スマートフォン「TONE」を活用して、高齢者サポート・健康増進など、市民生活に直結した地方創生を実現することを目的としている。「TONE」はTSUTAYA等で販売を開始したが、「すごく需要があるという手ごたえを感じています」とCCCモバイル 代表取締役社長 服部義一氏は口にする。TONEは、回線・端末・サービス・生活提案までも自社で企画した垂直統合型のビジネスモデルであるそうだ。 今後、自治体スマホ連絡協議会では70の自治体を募り、実証実験などを行う予定だ。また、サービスについては、各自治体にカスタマイズした形での提供を想定している。