2010年10月20日8:00
ICカードを利用したコミュニティサイクルの社会実験を実施
FeliCa Lite搭載の名チャリ専用オリジナルカードも発行
名古屋市では10月1日から11月30日まで、FeliCa対応ICカードやおサイフケータイを会員証として利用した「名チャリ社会実験2010」を実施している。実施主体は名古屋市と名古屋大学大学院環境学研究科、名古屋都市センター、NPO法人市民・自転車フォーラムとなっている。社会実験には国土交通省も協力しており、管理運営には名チャリエコポート事業チーム(㈱創建、蔦井㈱、日本コンピュータ・ダイナミクス㈱、㈱JTB首都圏)があたっている。
名古屋駅から栄地区の30カ所に「ステーション」を設置
名チャリを利用するためには会員登録が必要
「都心で自由に使える自転車があれば、仕事帰りや休みの日に、ちょっと寄り道をすることで、今まで知らなかったお店を発見できるかも。名チャリを利用することで都心での行動範囲が広がりますよ」(名チャリ社会実験実行委員会事務局を務める名古屋市緑政土木局道路部自転車利用課 伊藤和人氏)
同実験では、名古屋駅から栄地区の30カ所に設置したステーション(専用の貸出返却場所)にある300台の自転車を、8時から20時までの間、自由に貸出・返却ができる仕組みとなっている。基本料金は全期間利用する場合は2,000円、11月だけの場合は1,000円となっている。また、1週間で500円、1日の利用で300円と短期間の利用も可能だ。
利用料金は、一度の貸し出しにつき、30分まで無料、30分から1時間で200円、以降30分ごとに200円となっている。
登録方法は一般会員、家族会員、法人会員の3種類で、支払方法はクレジットカードとなる(法人会員は除く)。一般会員は個人で登録、家族会員は代表者のクレジットカードで、家族5人まで(本人を含む)登録可能だ。法人会員の場合、1法人あたり5口まで会員証を発行することができる。なお、会員登録にはクレジットカードとメールアドレスが必要になる。
本格実施が可能かどうか検証するために
料金を有料とし、無人管理を想定しICカードを導入
名古屋市では昨年も10月20日から12月18日まで無料のコミュニティサイクルの社会実験を実施した。
「昨年はコミュニティサイクルを知っていただく目的で、料金を無料とし、自転車の貸し借りをスタッフが行いましたが、3万人以上が登録するなど、非常に好評でした。今年は本格実施を見据え、利用者自身が自転車の貸し借りを行なえるよう、ICカードを利用したシステムを導入しました」(伊藤氏)
利用者は、専用のWebサイトから、東海地域の地域カード「TOKAPi」、ビットワレットの「Edy」やイオンの「WAON」などのFeliCa対応のICカードを会員証として登録することができる。また、FeliCa対応のおサイフケータイでも登録が可能だ。さらに、ソニーの「FeliCa Lite」を搭載した名チャリ専用のオリジナルカードも500円で発行している。
昨年の実験では、リサイクル自転車のみであったが、今年は、街乗りにピッタリのオリジナル自転車も用意した。
会員はステーションに設置されたポート(リーダ)へ会員証をかざして会員認証を行い、自転車を利用する。会員は自転車を返却すると事務局からメールで利用明細が通知される。また、自宅のPCや携帯電話で利用状況を確認可能だ。
「今年の社会実験が成功し、将来この『名チャリ』が本格実施できたらいいと思っています。日中はビジネスやショッピングで使用していただいており、みなさんの日常の足として利用していただけたらと思います」(伊藤氏)
事務局では「もっと多くの方に利用してもらいたい」と感じており、目標の5,000人の登録に向け、PRを強化していきたいとしている。