2010年11月30日12:50
大日本印刷(DNP)は11月30日、ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)のコントローラマイコンを搭載し、近距離無線通信規格「NFC(Near Field Communication)に対応した、世界で最も小さく薄いNFCモジュール「μMarida(マイクロマリダ)」を開発したと発表した。
DNPではマイクロマリダを2010年9月に開発したが、同製品ではモジュールのさらなる薄型化を実現するとともにセキュリティ用途への対応を図った。同製品は2011年3月にサンプル供給を開始し、2011年7月に販売を開始。組み込む機器の仕様に合わせて、コンデンサ、抵抗などの部品を搭載して提供する。 また、厚みは1mmのため、薄型のモバイル機器への組み込みが容易となっている。
搭載したルネサス製NFCコントローラマイコン「RF21S」は、暗号演算などのセキュリティ機能を有しているため、金融決済や交通システム、IDカードといった用途に対応可能だ。従来、こうした機能には「セキュアエレメントマイコン」を別個に搭載する必要があったが、同モジュールでは、それが不要となるため、モバイル機器に搭載する部品を削減できるという。 また、NFCモジュールに接続するアンテナは、組み込む機器の仕様に合わせて自由に設計できる。さらに、インピーダンスを調整するマッチング回路をモジュール上に集約しているため、機器組込み後の環境にあわせ性能を最適化するカスタマイズが可能だ。
DNPでは、NFCモジュールの製品ラインナップを今後も拡充し、国内外のモバイル機器メーカーをはじめ幅広いユーザーに向けて販促を行い、2011年度に10億円の売上を見込んでいる。