2012年9月12日19:05
ルネサス エレクトロニクスはこのほど、電源ケーブルを使わずに無線で送受電するワイヤレス給電向けに、使い勝手を向上すべく、NFCを用いたNFC方式ワイヤレス給電システムを開発したと発表した。そして、システム品を構築する上で不可欠なNFCマイコン「RF20」、送電IC「R2A45801」および受電IC「R2A45701」を製品化し、2012年11月よりサンプル出荷するとともに、周辺の汎用品(パワー半導体等)まで含めたトータルキットをシステムソリューションとして提供する。
ワイヤレス給電は、スマートフォンをはじめ今後ヘルスケアなどの民生機器や産業用途での普及が期待されており、今回開発したNFC方式では、国内ほとんどのスマートフォンに内蔵されているNFCのアンテナを流用するため、1つのアンテナで送受電が可能となり、端末側の受電システムの小型化/薄型化が図れる。また、給電範囲を10cm程度広くとることが可能なため位置ずれに強く、使い勝手を向上できる。さらに、双方向通信が可能なため、より安全に充電できる、といった特長がある。加えて、新製品のNFCマイコン「RF20」は給電用途に加え、携帯端末で使用される非接触ICカード用途にも1製品で対応可能だ。そして、同ワイヤレス給電システムを構成する主要部品をトータルキットとして提供することで、携帯機器市場に対しタイムリーで斬新なシステム開発に貢献できるソリューションを提供するという。
新製品の「RF20」はNFC標準規格に準拠しており、ワイヤレス給電のみでなく、従来の非接触ICカード用途等にも使用が可能だ。
なお同社では、同ソリューションをNFCフォーラムの「Wireless Charging Task Force」にて提案するなど、NFCによるワイヤレス給電システム普及活動に取り組んでいる。
RF20の量産は2013年1月より開始し、2013年6月には月産100万個を生産予定だ。そして、送電IC「R2A45801」および受電IC「「R2A45701」の量産は、2013年3月から行い、2013年12月にはそれぞれ月産100万個を生産するという。サンプル価格は、「RF20」が500円/個、「R2A45801」が500円/個、「「R2A45701」が500円/個、となっている。