2021年2月2日8:00

三井住友カードは、2021年2月1日、キャッシュレス決済戦略についてオンラインで記者説明会を開催し、カード券面からカード番号・有効期限・セキュリティコードの表記をなくした「ナンバーレスカード」を発表した。また、 SMBCグループのポイントサービス「Vポイント」やクレジットカード等で残高をプリペイドチャージし、店舗・インターネットのお買物ができる「Vポイント」アプリの提供を開始する。

新サービスを続々と投入

記者説明会では、まず三井住友カード 代表取締役社長 大西幸彦氏が登壇して、挨拶した。大西氏は「三井住友カードのキャッシュレス決済戦略はお客様起点」であることを強調した。生活者、事業者の2つの立場の視点で、不安を解消したり、ニーズに沿ったサービスを提供しているそうだ。この1年の取り組みとして、2020年2月にカード情報を裏面に集約した新デザインカード、および新アプリ、夏にはプラチナカード「三井住友カードプラチナプリファード」をスタートしている。事業者向けには、次世代決済プラットフォーム「stera(ステラ)」が本格的なサービスを開始し、コンカーとの提携なども始まった。

三井住友カード 代表取締役社長 大西幸彦氏

大西氏は「現金からキャッシュレス化へのニーズが加速している」としたうえで、カード等の利用が増え、日常でのコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどで現金で支払う人は少なくなっているとした。

新たに発表する新カードは、カードの日常利用に加え、利用者の安心・安全の期待に応えるべくリリースしたそうだ。また、「Vポイント」はVisaを通じて世界中で使えるようになったことが最大の特徴であり、Visaのタッチ決済、iDの加盟店であれば、世界や日本中で使えるため、「画期的な使いやすさを実現させていただいた」と大西氏は説明する。

1年間のカード発行の取り組みで成果

続いて、三井住友カード 執行役員 マーケティング本部長 佐々木 丈也氏が新商品・サービスについて紹介した。

三井住友カード 執行役員 マーケティング本部長 佐々木 丈也氏

昨今の決済市場の動向として、消費増税時期にスタートした、キャッシュレス・消費者還元制度、マイナポイント事業の実施といった政府の取り組みに加え、新型コロナウィルス感染拡大の中で非接触の利用が伸びている。三井住友カード会員の2019年から2020年の伸びとして、コンビニエンスストア、スーパーマーケットなどの生活関係の利用の伸びは2.8倍となった。また、消費者庁が示したデータとして、キャッシュレス決済の不安として、セキュリティに不安を抱く人が多い。こういった決済の日常化、安心・安全な支払いサービスの期待に応えていくことが大切だ。決済の日常化については、三井住友カードはVisaのタッチ決済を推進している。日常利用を促進させるため、主要コンビニエンスストアやマクドナルドでポイントを優遇。Visaのタッチ決済の現状として、三井住友カードの発行枚数は1年で2倍、利用件数は12倍と伸びている。一方、安心・安全では、2020年2月に発行した新カードにおいて、番号の裏面化によるのぞき見防止の取り組みを行うとともに、アプリでの利用通知や利用制限が可能となっている。こういった施策によって、2020年は新規入会者が前年比2倍となったそうだ。

新カードの3つのアップデートとは?

今回新たにナンバーレスカードを発行するが、佐々木氏は3つの大きなアップデートがあるとした。1つは完全ナンバーレス化を実現したことだ。その結果、「カードの表と裏はシンプルに美しいミニマムなデザインとなりました」(佐々木氏)。カード番号はスマートフォンのアプリで必要な時に見れるようにした。ネットショッピングでは、表示された番号をコピーアンドペーストして利用できる。また、Webサービスの機能として、利用制限機能をアプリの機能としてネイティブ化している。ワンタップで利用制限解除、ネットの利用制限、海外の制限解除などが行える。

2つ目の特徴は、タッチ決済の日常利用を促すため、マクドナルドでの利用に最大5%での還元を常時実施している点だ。通常ポイントは0.5%だが、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、マクドナルドの支払いで+2%、VisaとMastercardのタッチ決済で+2.5%となる。

3つ目の特徴は、使いたいときにすぐに使えることをコンセプトにした点だ。プロパーカード初となる、年会費の永年完全無料化を実現。デジタルチャネルを通じて顧客とコミュニケーションを図るため、年会費を無料化したそうだ。さらに、最短5分で即時審査、即時発行を可能にしている。

 

貯まったポイントをiDやVisaのタッチ決済で利用可能に

次にポイントプログラム「Vポイント」の展開だ。Vポイントは、 2020年6月1日に「ワールドプレゼントポイント」からリニューアルした住友カードが管理・運営するSMBCグループ共通のポイントだ。

佐々木氏は、「これまでのカード会社のポイントは貯まったポイントをギフトカードや商品に変えて利用するのが中心だった」とした。また、利用者にとって使いたい店舗が限られており、店舗によって使えない課題もあったという。さらに、共通ポイントなど、特定の経済圏で使用できるサービスは成長しているが、「お客様がどこでも使える世界を作っていきたい」と佐々木氏は話す。

「Vポイント」アプリでは、貯まったポイントをVisaのタッチ決済やiDで利用できるようになる。また、ネットショッピングでも利用できる。「一番使いやすいポイントを目標としています」(佐々木氏)

利用者は、スマートフォンアプリをダウンロードし、貯まっているポイントを移行し、すぐにショッピングに利用できる。具体的なフローとして、アプリダウンロードと同時にVisaのプリペイドが即時発行され、Apple Pay(iD加盟店)もしくは Google Pay(Visaのタッチ決済加盟店)で支払いができる。アプリ上には、キャンペーンやお得なポイント情報を掲載することで、「楽しく使ってもらいたい」と佐々木氏は意気込む。

共通ポイントとしての利用を促進

なお、Vポイントは2020年6月に三井住友カード、三井住友銀行の2社共通のポイントとしてアップデートしている。2021年からはますます身近に、ますます貯まりやすくをコンセプトとして、例えば、口座開設時のインセンティブ、投資信託購入時のポイント付与といったSMBCグループ各社の取引でも貯まりやすくする予定だ。また、提携企業であるSMBC証券ではポイント投資、投資信託の購入時にカード決済で購入することができ、購入金額に応じてポイントが貯まるサービスも展開する。さらに、LINE Payでも各種サービスでポイントがお得に貯まるサービスを展開する。今後は、Vポイントギフトとして活用できるように推進していくとした。

なお、Vポイントを身近に感じてもらう広報キャラクター「ビバすけ」も誕生しているそうだ。

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