2010年12月22日8:00
「EC決済、EC活用の最新トレンド」~エムティーアイ(1)
独自の会員認証・決済システム「mopita」を展開
スマートフォンで「music.jp」「ルナルナ」などの人気コンテンツを提供
エムティーアイは音楽配信サイト「music.jp」、女性向けの健康情報サイト「ルナルナ」、気象情報サイト「ソラダスお天気予報」など、50以上の人気サイトを運営している。同社ではGMOペイメントゲートウェイ子会社のソーシャルアプリ決済サービスと連携し、スマートフォン向けに独自の会員認証・決済システム「mopita(モピタ)」を開発。7月7日から自社のサービスで順次導入するとともに参加企業の拡大を目指している。
50サイト以上の携帯サイトを運営
他社に先駆けスマートフォン独自のサービスを開発
エムティーアイは950万人近い有料会員数を誇る国内最大級のコンテンツプロバイダー。同社では7月7日から、スマートフォン向けの会員認証・決済システム「mopita」のサービスを開始。7月1日からスタートした「music.jp」、「ルナルナ」、「お天気予報」などのスマートフォン向けコンテンツに導入している。その後、「music.jp着信音plus」、「アクビガールiPhoneアプリ」「「デコともM @ IL」など、徐々にコンテンツを拡大している。
「弊社では「着うたフル®」などの“音楽系”から、「天気予報」「健康」などの“生活情報系”、「デコメール」などの“エンターテインメント系”まで、50以上の携帯サイトを運営しています。業界のリーディングカンパニーとして、スマートフォンに関しても率先して取り組んでいかなければいけないと考え、『mopita』のサービスを開始しました」(エムティーアイ広報室長代行 杉原美穂氏)
利用者がケータイサイトからスマートフォンに変更する場合、会員登録していたサイトを退会し、スマートフォン向けのサービスに新たに入会してもらう必要がある。またスマートフォンに関しては、各キャリアが展開する料金徴収サービスも同社がサービスを検討していた時期にスタートしているところはなかったという。ユーザーがiPhoneの「app Store」などで有料アプリをダウンロードした場合、コンテンツプロバイダーは「app Store」に30%の手数料を支払わなければならない。そのため、同社では独自の会員認証・決済システムを構築し、スマートフォン向けのサービスを手掛ける企業に対しても「mopita」を開放し、15%の料金徴収代行手数料でシステムを利用できるようにした。現状では、課金はクレジットカード決済を利用しているが、今後は電子マネー「WebMoney」などの課金手段を追加する予定だ。
「コンテンツプロバイダーは、音楽やコミック配信のようにコンテンツホルダーへの支払いが生じる場合、この手数料が高いとどうしてもビジネスが成り立ちにくくなるため、『mopita』を利用するメリットは非常に大きいと考えています」(杉原氏)
スマートフォンならではのサービスを開発
着信音アプリは早くも会員に好評
「music.jp」はエムティーアイの有料会員の約半数を占める人気サイト。「着うたフル」、「着うた」など、邦楽・洋楽のさまざまなジャンルの音楽を配信している。スマートフォンでは、音楽を再生できる“Player”(無料)と楽曲配信サービスの“Store”(有料)が利用できる。楽曲配信の月額料金は315円~1,050円(税込)となっている。
既存の携帯サイトでも会員数が急拡大している「ルナルナ」は、生理日予測を始めとする女性の心と身体の健康情報サイト。ケータイへの簡単な入力だけで月経周期にかかわる情報を自動的に計算し、面倒な記録や集計が不要になるサービスである。スマートフォンでの月額料金は263円(税込)となっている。
「ソラダスお天気情報」は全国の天気・気温・降水量などを予報する気象情報サイト。月額105円(税込)で、850箇所の気象情報を1時間ごとにピンポイントで通知する。
9月にはスマートフォンで着信音の設定ができる「music.jp着信音plus」、10月にはiPhone用のきせかえアプリ「アクビガールアプリ」、12月にはスマートフォンでデコメールが楽しめるメーラーアプリ「デコともM@IL」を追加。その後も順次、スマートフォン対応を進めているが、既存の携帯サイトと機能やシステムが異なっているため、アプリの作り込みやコンテンツ開発に苦労する部分もあるそうだ。
「例えば、スマートフォンでデコメールを利用する場合は、メーラー機能の付いたアプリをダウンロードする必要があります。また、今までの携帯電話の着メロは好きな楽曲をダウンロードして着メロに設定することができましたが、現状のスマートフォンの場合はプリインストールされている着メロ以外をダウンロードしたい場合は専用のアプリが必要となります。弊社では着信音のアプリを無料でダウンロードできる『music.jp 着信音 plus』を9月から開始しましたが、月額315円で着メロが取り放題のため、ご好評いただいています」(杉原氏)
同社ではスマートフォンでのコンテンツの拡大が「mopita」会員の増加につながると考えており、スマートフォンならではの魅力あふれるサービスを開発していきたいとしている。