PayPayの3月の決済回数はSuicaに匹敵、投資成果を示す(Zホールディングス決算説明会)

2021年5月6日9:02

Zホールディングスは、2021年4月28日に、2020年度通期および第4四半期(以下Q4)決算説明会を報道関係者向けにオンラインで開催した。決済・金融分野では、2年半にわたり投資を行ってきたキャッシュレス決済サービス「PayPay」の利用者数、加盟店数が好調に推移し、これまでの投資効果を示せたとした。また、クレジットや銀行といった金融サービスについてもPayPayの会員基盤を軸に拡大の素地を確立させているそうだ。

Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEO(共同最高経営責任者)川邊 健太郎氏

3つの重点施策は順調に進む

当日は、代表取締役社長Co-CEO(共同最高経営責任者)川邊 健太郎氏が決算説明を行った。2020年は人々の生活に寄り添った機能を開発・提供し、その数は120になったという。期初に掲げた3つの重点施策「LINEとの経営統合の実現」は2021年3月1日に統合を完了。「シナリオ金融」の本格展開は、各種ECサービスにおける保険サービスの提供開始や売り上げ拡大に加え、PayPay経由の個人ローンが拡大した。「統合マーケティングソリューションの拡大展開」は、販促ソリューション「PayPayギフト」の拡販や機能拡充を行うなど、順調に進んでいる。

Zホールディングスの主要な会社である「Yahoo!JAPAN」は、サービス開始から25周年を迎えた。川邊氏が社長に就任して3年が経過したが、2020年度は売上収益1.2兆円(YoY+14.5%)となり、2年連続で2桁成長を達成した。売上成長を伸ばしながら、調整後のEBITDAは2,948億円(YoY+18.8%)の増益を達成している。ショッピング事業はYoY+45.1%と高い成長となり、eコマースの取扱高ははじめて3兆円を突破した。LINEは広告事業の成長がけん引し、通期営業利益は263億円の黒字を達成している。

コロナ禍の影響により、上半期は予算対比で約200億円の費用を抑制したが、下期は積極的な投資を実行した。結果、Q4の投資では「超PayPay祭」の販促施策などeコマース、物販領域に投資した。

事業別では、コマース事業は、前述のようにショッピング事業が大きく成長。リユース事業は、ここ数年横ばいだったが、2021年1月のPayPayフリマの出品手数料引き下げによる新規ユーザー増加により、取扱高が再成長した。

「超PayPay祭」の名称認知率は約60%、国民的イベントを目指す

コマースの具体的な取り組みとして、LINEとの経営統合を記念し、PayPayユーザーであればお得に買い物ができる「超PayPay祭」を実施。2020年11月に実施したキャンペーンと比較して、各種KPIは大幅に成長し、グループ経済圏が大きく広がった。自社調べで「超PayPay祭」の名称認知率は約60%、グランドフィナーレが3月27日、28日であることを認知している人は57%と、Yahoo! JAPANの過去のキャンペーンと比べても高い認知度を誇っている。「今後も超PayPay祭を国民的イベントに消化できるよう取り組んでいきたいと思います」と川邊氏は話す。

Yahoo!ショッピングとPayPayモールは、過去の投資効果もあり、取扱高の年平均成長率は+25.6%を記録した。また、Q4のインハウス決済は過去最高水準の68.2%に達しており、PayPayを起点としたグループ経済圏によるユーザーの囲い込みが進展している。

PayPayは通期で決済回数20億回突破、前年度比2.5倍に
PayPayの会員基盤を軸にクレジットや銀行の金融サービス拡大

決済・金融では、PayPayは、利用者数、加盟店数ともに好調に推移したという。

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