2021年6月8日7:00
カギを握るのはトークナイゼーションとEMV 3DSの早期導入
Visaは5月18日~21日に「2021 Asia Pacific Visa Security Summit」を、初となるオンラインで開催。アジア太平洋地域の1,500以上のパートナーやクライアントに対して、新型コロナウイルスによるパンデミック下での決済セキュリティの重要性を訴えた。ビザ・ワールドワイド・ジャパンはこの発表内容をもとに、6月3日、コロナ禍における消費者行動の変容および不正利用の傾向、Visaの決済セキュリティについてのオンライン説明会を行い、日本における非対面の不正取引増加に歯止めをかけるためのロードマップを提示した。
対面不正防止に奏功した100%ICカード化
次の課題は非対面での不正対策
コロナ禍に見舞われた世界で、人々の行動様式は大きく変容した。2020年6月にVisaが実施した調査によると、世界では、安全面の懸念により、消費者の78%が決済手段を変更した。対面取引における非接触決済の普及が加速し、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、台湾などでは、対面販売に占める非接触決済の割合が75%を超えている。また、よく知られていることであるが、世界規模でこれまでにないスピードでECが成長。「Retail Systems Research Consumer Report」(2020年3月)によると、米国の消費者の45%が「オンラインショッピングは生活に必要不可欠」と認識している。2020年10月~12月のVisaの非対面での決済金額は、対前期比の30%超と、過去最大の伸びを示した。
これにともない、新たな課題も浮上している。非対面取引における不正の増加である。非対面決済の不正は2024年には274億ドルまで拡大するという予測データもある。
日本で発行されたクレジットカードの不正の傾向を見ると、対面取引においては、100%ICカード化の期限を迎えた2020年3月末以降の2020年第2四半期には、明らかに不正利用が減少。しかしこれに対して、非対面における不正取引金額は増加傾向を示している。その手口も多様化・巧妙化。さらに不正が仕掛けられるタイミングも、初期登録、本人認証、取引承認、取引に対する異議申し立てなどあらゆる場面にわたっている。「正しい知識をもとに、正しい判断をし、正しい対策を講じることが必要です」と、ビザ・ワールドワイド・ジャパン データソリューションズ ディレクターの田中俊一氏は力説する。
非対面決済におけるもうひとつの課題は、承認率と顧客体験の改善である。オーソリ承認率は、対面決済では98%であるのに対し、非対面決済では80%にとどまっている。また、デジタルコマースにおけるカゴ落ち率は、世界平均で77.7%に上っているという調査結果がある。
非対面決済において、不正を極小化しながら顧客体験と承認率を向上させる施策を実行することが、イシュアにとっても加盟店にとっても急務となっている。
Visaが推奨する3つのソリューションとは?
日本市場にEMV 3DSとトークンの普及を図る
この施策として田中氏はVisaが推奨する3つのソリューションを紹介した。
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