2021年7月12日8:00
ダイナースクラブカードのタッチ決済を利用できる店舗が拡大。2021年6月から、ファミリーマート、ロイヤルホスト、東京ドームシティなどでも利用できるようになった。もともと富裕層をターゲットとし、高額決済が中心のダイナースクラブカードの利用シーンがコンビニやスーパーなど日常の少額決済にも広がったことによって、会員1人当たりの決済総額が増大するという効果が上がっている。
記事のポイント!
①2021年6月よりダイナースクラブカードのタッチ決済加盟店が広がった
②コロナ禍で衛生面から国内でもニーズが高まる
③高額から少額までフルレンジでの利用機会を創出
④Apple Payなど多様な決済方法、有効期限なしのポイントプログラムで利用促進
⑤JCBとの提携で会員の利便性は大きく広がる
⑥国内の決済端末は現在約20万台、2022年3月までの見込みは?
⑦機能やサービスの拡充を図る
コロナ禍でタッチ決済のニーズが高まる
日常使いが増えメインカード化が進む
2020年12月にスタートしたダイナースクラブカードのタッチ決済が、2021年6月より新たに、ファミリーマート、ラフォーレ原宿、二子玉川ライズ・ショッピングセンター、東京ドームシティ、ロイヤルホスト、カウボーイ家族、シェーキーズ、シズラー、ロイヤルガーデンカフェでも利用できるようになった。タッチ決済は、1万円以下であれば、サインや暗証番号の入力不要で、店舗の専用端末にカードをタッチするだけでスピーディに支払いを完了できる決済方法だ。
イシュア(カード発行会社)、アクワイアラ(加盟店開拓会社)ともにクレジットカード関連各社は、2020年の東京オリンピック開催を睨み、海外から訪れる観戦客に対応すべく、タッチ決済の導入を急いできた。国内でダイナースクラブカードを発行する三井住友トラストクラブも例外ではない。東京オリンピックは2021年に延期となり、インバウンド需要もさほど見込めない状況になったとはいうものの、コロナ禍で衛生面から国内でもコンタクトレス決済のニーズが高まり、タッチ決済の利用は着実に増加している。
ダイナースクラブカードは富裕層をターゲットとし、単価の高い決済に利用される傾向があるが、逆にいうと低単価であるコンビニ等の日常密着型のマーケットは、電子マネー等にその利用が流れている可能性があり、高額から少額までフルレンジでの利用機会の取込みを企図した。もちろん少額決済が増えることでのシステムコストや業務負荷へのインパクトの議論もないわけではなかった。三井住友トラストクラブ 商品統括本部長 野泉和宏氏は「もともと少額決済を念頭に置いたほかの決済手段と競合して、売上が流れていってしまわないかという懸念もありました。しかしふたを開けてみれば、売上は増加しています。コンビニやスーパーなどで日常的にダイナースクラブカードが使われるようになり、トランザクションが増え、メインカード化が促進されるという望ましい効果が現れています」と説明する。
口座当たりの利用額は未利用者の約5倍に
時と場合に応じて決済手段を使い分け
12月からのスタートであり、まだサンプル数は少ないものの、タッチ決済の利用者と未利用者を比較すると、利用者のトランザクションや口座当たりの利用額は未利用者の約5倍に上り、退会率は明らかに低い。また、タッチ決済利用者の年齢層は会員平均より若干低く、「これから収益貢献の高い優良会員に育っていく層が、タッチ決済を頻繁に使っている傾向があると見ており、そのような意味でもタッチ決済の訴求は重要だと考えています」と野泉氏は話す。
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