2011年1月21日16:43
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、アジア/太平洋地域、中東、アフリカ地域の24市場を対象に実施している「家計における購入優先度調査(MasterCard Survey on Consumer Purchasing Priorities)」の最新結果を発表した。同調査は今後半年間における消費者の消費・貯蓄行動、および主な自由裁量支出10費目の優先順位について調査している。この調査は、MasterCard がアジア/太平洋、中東、アフリカ地域の主要24市場において2010 年9月13日から11月11日にかけて消費者計1万502人を対象に実施。調査データはインターネット、対面および電話でのインタビューによって収集している。
これによると、今後半年間の自由裁量支出で優先する費目として、アジア/太平洋地域の消費者の69%が、「外食/娯楽」と回答した。この数字は、半年前の前回調査と比べ4%増加。同地域では、調査対象のうち1市場を除くすべての市場で、「外食/娯楽」が1位となった。優先度の高い上位3市場は、ベトナム(89%)、韓国(78%)、香港(75%)であった。同様の傾向は中東でも見られ、対象となった6市場すべてにおいて、「外食/娯楽」が1位だった。特にエジプトでは、「外食/娯楽」に支出する予定の消費者が98%と、調査した全市場の中で最も高い割合となっている。
アジア/太平洋全体では、「ファッション/アクセサリー」の優先度は前回調査時より6%増加して50%となった。国別では、オーストラリア(50%)、ニュージーランド(53%)、シンガポール(58%)、中国(64%)、ベトナム(78%)で、「外食/娯楽」に次ぐ2位となっている。「家電製品」でも優先度が上昇し、アジア/太平洋全体では前回調査の2010年下半期より6%増加して43%となった。
アジア/太平洋地域において、「外食/娯楽」、「ファッション/アクセサリー」、「家電製品」の購入優先度が上昇傾向にあることを裏付けるように、消費者の過半数が、前回調査時と同じ程度の自由裁量支出を2011年上半期に予定していることもわかった。前回と同程度の自由裁量支出を予定していると答えた消費者は52%を占め、前回より増やすと答えたのは19%、減らすと答えたのは29%だった。これらの数字をまとめると、今回の調査では、自由裁量支出に関して調査開始以来で最も強い消費傾向が表れている。
アジア/太平洋地域で、今後半年間の自由裁量支出を増やすと答えた消費者の割合が高かったのは、中国(31%)、香港(29%)、インド(26%)の3カ国。一方、同程度の自由裁量支出を予定していると答えた消費者の割合が高かったのは、ベトナム(62%)、オーストラリア(59%)、韓国(59%)だった。地域別の比較では、同程度の支出を予定していると答えた消費者の割合が最も高かったのは中東(63%)であった。
同調査で得られたデータを利用して、「消費者の購買意欲回復度調査(MasterCard Worldwide Index of Consumer Purchasing Resilience)」を行い、それぞれの費目について、予期せぬ状況により支出を抑制する場合の購買意欲の回復度を測定した。指数は0から100の数値で表し、購買意欲回復度が最も高い場合を100としている。購買意欲回復度が高い費目ほど、予期せぬ状況が生じた場合でも消費が抑制される可能性が低いことになる。
同調査の結果、購買意欲回復度の最も高い費目は「子供の学校外の教育費」となった。同費目は調査対象市場の約半数で回復度が最も高く、アジア/太平洋地域で特に指数が高かったのは、インド(95.7)、ベトナム(92.7)、インドネシア(88.9)であった。
「個人旅行」の回復度が最も高かったのは、オーストラリア(72.8)とシンガポール(64.4)。「家電製品」の回復度が最も高かったのは、日本(68.5)、「フィットネス/ウェルネス」はニュージーランド(76.7)、「ファッション/アクセサリー」はモロッコ(85.4)であった。