2021年11月9日8:40
Datachainは、ソラミツと技術連携を開始したと発表した。今回の取り組みでは、The Linux FoundationのHyperledgerプロジェクトのうちの1つ、ソラミツが当初提供したHyperledger Irohaにおいて、Datachainが開発をリードするHyperledger Lab YUIを用いることで、CosmosのIBCによるインターオペラビリティを可能にし、Hyperledger Irohaで構築された異なるブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換(アトミックスワップ)を実現するという。
Hyperledger Irohaは、カンボジア王国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)「バコン」や、福島県会津大学のデジタル地域通貨「白虎」など、さまざまなデジタル通貨プロジェクトの基盤として国内外で活用されている。今後、そのようなデジタル通貨同士の交換などを目的に、実用化済みのプロジェクトへの応用を検討していく。
今回の取り組みでは、Hyperledger Irohaで構築された異なる2つのブロックチェーンと各ブロックチェーン上のデジタル通貨(トークン)を用意し、IBCを用いて各ブロックチェーン上のデジタル通貨の同時交換を実現する。
技術的には、Hyperledger IrohaはEVM(Ethereum Virtual Machine)互換性を持つため、Interchain Foundationからの助成金によりDatachainが開発を進めるIBC-Solidity(IBCのSolidity実装)を利用する。その上で、Hyperledger IrohaにおけるICS-20(IBCにおけるトークン転送について定めている標準)のサポートや、Hyperledger Irohaのブロックチェーン間をつなぐRelayerの設計実装を行う。
Datachainでは、Hyperledger Lab YUIを用いたHyperledger IrohaのIBCによるインターオペラビリティ実現後、ソラミツと共にHyperledger Irohaにおける具体的なユースケースへの応用を目指す。また、Hyperledger FabricやHyperledger Besuなど、その他のブロックチェーン基盤との相互接続についても、ユースケースへのニーズに応じて、検討していくそうだ。