2021年12月9日18:02
STマイクロエレクトロニクス(ST)は、接触/非接触型決済カード、IDカード、交通系ICカードに高度なセキュリティを実現するセキュア・マイクロコントローラ(マイコン)「ST31N600」を発表した。
ST31N600は、STの40nm eSTM技術をベースに、エナジー・ハーベスティング用の回路や、生体認証およびダイナミック・セキュリティ・コード(dCVV)アプリケーション用に追加の通信機能を備えているという。これらの機能により、バッテリレスのスマート・カードで、非接触通信やオンラインのトランザクションにおけるユーザー認証を実現するそうだ。また、セキュア・マイコン向けの最新世代Arm SecurCoreアーキテクチャをベースに、EMV ISO 7816、ISO 14443、ISO 18092といった接触/非接触カードの規格に準拠しているため、さまざまなペリフェラルをセキュアに接続し、高付加価値のカード機能を実装することができるとしている。
STは、Trustech 2021においてST31N600を展示。STの生体認証用システム・オン・カード(BSoC)STPay-Topaz-Bioと、dCVVに基づくセキュアな生体認証決済のデモを実施し、セキュアなオンライン・トランザクションについて解説したそうだ。
STPay-Topaz-Bioは、高速かつ便利な非接触通信に加え、カード保有者の生体認証という強力なセキュリティを備えたすぐに使用できる決済ソリューションであるとしている。EMV(Eurocard Mastercard Visa)モジュールに内蔵されたST31N600と超低消費電力の汎用32bitマイコンSTM32L4をベースにしている。ST31N600は、決済アプリケーション、生体認証テンプレート照合、およびエナジー・ハーベスティングによるシステムへの電力供給に対応している。
また、ST31N600は、dCVV技術を使用したeコマース決済にも適しているとした。同技術により、外部バッテリやクロック・タイマを使用することなく、EMV取引ごとにコードを動的に更新可能だ。
ST31N600は、現在サンプル出荷中だ。
この記事の著者
ペイメントナビ編集部
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