2012年11月6日19:06
STマイクロエレクトロニクス(ST)は演算処理と高い非接触通信性能を組み合わせた、デュアル・インタフェース搭載のセキュア・マイクロコントローラ(マイコン)を発表した。
今回発表した新しいST31シリーズは、演算処理能力と電力効率を提供する最新のARM SecurCore SC000プロセッサを搭載したセキュア・マイコンである。接触・非接触通信および複数のIC乗車券規格(MIFARE、MIFARE DESFire、Calypso)のサポートを組み合わせており、多様なアプリケーション向けに汎用性を強化している。ST31の低消費電力アーキテクチャは、リーダからの無線給電によりカード回路を駆動する非接触アプリケーションの通信速度および信頼性の向上に貢献するという
決済や交通機関などで使用される多機能ICカードや銀行用ICカードは、世界中で急激に導入が進んでいる。ヨーロッパではすでに90%を超えるカード支払い 端末が、Chip and PINカード向けのEMV(Europay、Mastercard、Visa)規格に準拠している。最新の非接触通信規格で、さらなる顧客利便性の向上として、処理時間の短縮とセキュリティの強化が保証されている。
ST31シリーズは、EMVCoおよびCommon Criteria EAL5+ / EAL6+のセキュリティ認証取得に向けた高いセキュア・アーキテクチャに基づいており、DES、AES、RSA、ECCなどの一般的暗号化アルゴリズムをサポートすると同時に、ARM社のv7-Mマイクロコントローラ・アーキテクチャに基づくシリコン効率に優れたSecurCore SC000プロセッサを採用することで、実装コストを低減するという。 これにより、カード会社にとってコストが重要な判断材料となる過渡期にある地域(中国等)において、ICカード導入を促進すると考えられる。また、シングル・インターフェースのST31も接触アプリケーション専用として利用可能 だ。