松屋、決済手段の多様化で新しい顧客取り込み加速 14ブランドのバーコード決済導入、暗号資産で代理購入

2022年3月4日8:00

百貨店の松屋は2021年末から、国内7・海外7の計14ブランドのバーコード決済を導入したほか、前払式支払手段扱いの日本円連動ステーブルコインの代理購入サービスを始めるなど、決済手段の多様化を加速させている。新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに非接触の決済手段を望む声が高まったことに対応した。さまざまな決済手段を選択できる環境を整えることで、百貨店離れが進む若い世代を呼び込む狙いがある。

非接触の決済ニーズ高まる
全館対象でPOSレジと連携

バーコード決済が利用できるのは「松屋銀座」と「松屋浅草」、「プチプチ マルシェ(銀座インズ内)」。利用可能ブランドは、国内ブランドが「メルペイ」「PayPay」「d払い」「楽天ペイ」「J-Coin Pay」「au PAY」「LINE Pay」で、海外ブランドは「WeChat Pay」「Alipay」「AlipayHK」「EZ-Link」「GCash」「Kakao Pay」「Touch‘n GO」。松屋銀座では国内ブランドのバーコード決済は初導入となる。食品や化粧品からインターナショナルブティック、宝飾・時計などでも利用が可能になった。

顧客戦略部 顧客政策課長 齋藤篤氏。店内ではバーコード決済や楽天ポイントカードが使えることを告知

顧客戦略部 顧客政策課長 齋藤篤氏は「新型コロナの感染防止に伴い、2020年4月上旬から休業し、6月には再開しました。その後、お客様の非接触決済のニーズが高まったことを受けて、2020年8月には食料品フロアなど一部の店舗でPASMOやSuicaといった非接触の交通系決済や楽天Edyなどを導入してみて、店頭業務の効率化を実感しました」と話す。

顧客戦略部 顧客政策課長 齋藤篤氏。店内ではバーコード決済や楽天ポイントカードが使えることを告知

今回のバーコード決済の導入は全館が対象で、POSレジと連携し、自社ポイントも活用できるのが特徴だ。30代から40代のスマホ決済利用者を呼び込むのが狙い。齋藤氏は「POSレジの改修などに準備期間を要したが、ようやく本格的な導入の環境が整いました」と話す。積極的なキャンペーンを実施する予定で、新たな顧客の開拓を目指す。

バーコード決済のイメージ

2021年の年末年始商戦では、店舗の天井から看板を吊り下げ、バーコード決済可能な主要ブランドのロゴを並べて、アピールした。「今後、利用状況を分析する予定だが、年末に食料品フロアの店頭に立って、お客様の決済をみていると、単価は高くないが、多くのお客様にご利用いただき、お客様のバーコード決済に対するニーズが大きいことを実感しました」と齋藤氏は言う。

齋藤氏によると、松屋のキャッシュレス決済比率は約75%だというが、そのほとんどがクレジットカード。しかし、インバウンド需要が大きかったコロナ前と同じ数字を維持しているといい、着実にキャッシュレス化が進んでいることが推定される。コロナ後にインバウンド需要が回復すれば、外国ブランドのバーコード決済手段が整ったこともあり、キャッシュレス比率が高まる可能性があると見ている。

国内の利用可能ブランドとして、3月末をめどにBank Pay(バンクペイ)を追加する予定。齋藤氏は「決済事業者が構築している経済圏へのアプローチによって新規顧客を獲得し、他のサービスで貯めたポイントなどを利用した支払い方法を提供していきたいです。松屋の自社ポイントカードとの併用も可能で、位置情報を活用して効率的な販促活動の実現を目指します」とした。今後、インバウンド消費回復時の中国を中心とした外国人の利用頻度の向上も見据える。

JPYCによる初のリアル店舗での商品購入
20代~30代のニューリッチ照準

一方、松屋は、前払式支払手段扱いの日本円連動ステーブルコイン「JPYC(JPY Coin)」を展開するJPYC(東京都千代田区、岡部典孝社長)と連携し、松屋銀座の対象売場で「JPYC」を使用した代理購入を開始した。対象売場は1階と2階の「インターナショナルブティック」と4階の「宝飾・時計」、7階の「家具・インテリア」(一部対象外ショップ、対象外商品がある)。

松屋事業戦略部 新事業創造課長 中野恭彦氏

使い方は、松屋銀座の対象売場で商品を選ぶ(200万円未満の商品が対象)。取り置き票に記入し、商品代金、送料、消費税などの合計金額相当の「JPYC(JPY Coin)」を当日中にJPYC社に送付する。翌営業日に送付確認後、松屋銀座で商品を受け取るか、配送してもらう。

代理購入とは、「JPYC」保有者が購入したい商品をJPYC社に申し込み、JPYC社が松屋銀座から商品を代理で購入して販売する仕組み。JPYCによるリアル店舗での商品購入は松屋銀座が初の試みとなった。

松屋事業戦略部 新事業創造課長 中野恭彦氏は「暗号資産の利用者の年齢層は20代から30代で半数を占めます。この百貨店離れをしている年齢層のニューリッチを取り込むきっかけになると思い、JPYC社との連携を決めました。ステーブルコインの事業者は他にもありますが、JPYC社の技術力の高さが決め手になりました」と説明する。スタートアップだが、日本の法律に準じた準備を着実に進めており、扱い高を拡大し、成長力も高いとした。

JPYCのメリットは、デジタルコインを保有しているユーザーが、デジタルコインから円に換えることなく、物品の購入ができることにあるという。また、小売店側にとっては、JPYCが、ブロックチェーンのスマートコントラクトの技術を活用しているため、手数料の安いビジネスが可能になるという。

中野氏は「EC店舗での利用のケースはあるが、リアル店舗では初めてということで、チャレンジングな取り組みでした。年末年始商戦に合わせた導入1カ月で、100万円以上の売り上げがあり、平均単価は15万円程度と高額商品に活用されていることがわかりました」と述べる。まずは1年程度、利用状況を検証し、顧客利便性向上へ向けた改善など今後の活用方針について検討したい。また、ブロックチェーンの技術を活用した松屋の資産の有効活用などの新ビジネスでも連携できるかどうかも検討するそうだ。

カード決済&セキュリティの強化書2022より

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