2024年6月3日8:20
JPYCは2021年からパブリックブロックチェーン上で作られた前払い(プリペイド)型のステーブルコイン「JPYC」を発行している。同社は、
池谷貴
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日本発のサービスとして27億を発行
発行量はPolygonが90%以上
――貴社がステーブルコインに取り組まれる理由について聞きたい。
JPYC:弊社は「社会のジレンマを突破する」をミッションとして掲げています。ステーブルコインが普及することにより、社会の血液である資本の流通効率を大幅に向上させることが可能となり、社会のジレンマを突破することにつながると認識しています。
――これまでの成果については?
JPYC:2024年5月時点で27億円を発行しています。Ethereumをはじめとしてさまざまなパブリックブロックチェーンで発行しており、UniSwapやSushiSwapといった海外のDeFiなどでも他のトークンと相互交換可能な状態となっており、日本発行のステーブルコインとしては、発行以来途切れることなく流通量・決済量で99%以上のシェアを占めております。
――Ethereum、Polygon、Avalanche、Astar Network、Shiden Network、Gnosisで利用が可能だが、現状の利用の内訳を聞きたい。
JPYC:発行量として一番多いのはPolygonで、90%以上となります。
――「JPYC」の商品券を用いた「ふるさと納税」の今後の広がりへの期待は?
JPYC:現在は第三者型前払式支払手段のJPYCを使用しており、規制の関係で単一都道府県単位内での使用が可能となっておりますので、海陽町以外の地方自治体は徳島県内のみ対応可能な状態です。
全国で使用可能にするよう申請すれば、全国の地方自治体への展開が可能ですが、資金移動業のライセンスの取得時期も迫っておりますので、(二度手間になることを防ぐため)申請はストップしております。
なお、資金移動業ライセンスで発行したJPYCであれば、特に届出の必要もなく全国の自治体で受け入れることができるようになります。
またVプリカなどの利用実態やアンケート結果から推測するとユーザー(暗号資産保有者)の納税へのJPYCの使用意向は非常に高いものがあると認識しています。
ウォレットのUXの課題解決へ
普及により「1時間ごとの給与支払い」などが可能に?
――電子決済手段のステーブルコインを発行される予定だが、国内市場では受け入れられると見込んでいるか?
JPYC:受け入れられると考えています。理由としては、「加盟店登録が不要」「決済手数料が基本0」などのメリットから、既存の決済の負を解決可能な選択肢になれる点が挙げられます。また、海外ステーブルコインとの交換がシームレスにできる特性を活かせるサービスや事業での需要や、AIが自由に使える、M2M(Machine to Machine)取引が可能なデジタルマネーとしても今後大きな需要があると考えています。
現状考えられる一番の障害として、ウォレットのUX(ユーザーエクスペリエンス)面が挙げられますが、すでに複数通信事業者がリリース済ウォレット、万博用のEXPOウォレットのほか、弊社が協業を発表しました電算システムで開発予定のステーブルコイン決済専用ウォレットなど、このハードルを解決するための手段は今後続々と出てくると考えています。
会計面に関しては、すでに電子決済手段は現金と同等に扱っていいという指標が昨年中に出ていることもあり、受け入れやすい法律、税制的な土壌が整っていると言えると考えています。
――ステーブルコインの浸透により期待されるメリットについて聞きたい。
JPYC:「送金手数料がほぼ0円」「海外送金も可能」「決済手数料が格安になる」「トランザクションの透明性」等々のメリットがあります。
送金手数料がほぼ0円になることで、たとえばタイミーのような隙間時間の雇用形態などで「1時間ごとの給与支払い」などが可能となります。
また、2022年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2022」でも触れられているように、今後日本でもDAOが発展していくものと考えられますが、資金や報酬の支払いが可視化できるというオープンブロックチェーン上のステーブルコインの特性と非常にマッチしているため、この分野でも普及していくと認識しています。
またAIやBotによる自動取引などにも期待しています。
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一般に広く浸透するようなユースケース創出へ
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