横浜市交通局、109路線と観光路線でVisaのタッチ決済の実証実験を実施

2022年3月30日8:30

将来は完全キャッシュレス化で持続可能な事業を目指す

横浜市交通局は、2021年10月1日から109系統特急便、同12月1日から、横浜の観光スポットをめぐる「BAYSIDE BLUE」、「あかいくつ」、「ピアライン」、「ぶらり三溪園BUS」の4路線でVisaのタッチ決済の実証実験を行っている。同交通局では、利便性の高い交通決済を導入することで、将来的に完全キャッシュレスを目指すという。

7%の現金決済コスト削減へ
キャッシュレスで業務効率化

横浜市交通局の実証実験は、Visa のタッチ決済を利用できる機器を車内に設置し、利用者のVisaのタッチ決済に対応したカードによりバス運賃を収受するものだ。Visa のタッチ決済による運賃収受は、首都圏を運行する路線バス(高速バスを除く)では初の試みとなる。今回の実験は、ビザ・ワールドワイド、三井住友カード、QUADRAC、小田原機器、横浜銀行と連携して行っている。バス車載運賃箱に、Visaのタッチ決済専用の読取機器を設置。利用者は乗車時に対応カードをかざすことで運賃の支払いが可能だ。

Visa のタッチ決済が利用できることを告知したポスター

実験開始の背景として、横浜市交通局の路線バスでもPASMOをはじめとする交通系ICカードの利用は増えているが、現金利用者は一定数存在する。横浜市交通局 自動車本部 営業課長 小島健治氏は「できれば完全キャッシュレス、現金を取り扱わない方向に持っていきたいです」と話す。横浜市交通局の2021年10月の支払い方法別占有率をみると、交通系IC(定期外)が67%、交通IC(定期)が22%、紙・磁気券(定期)が3.4%、その他0.5%となり、現金は7.1%を占める。

現状、横浜市交通局ではレシップの運賃箱を使用しているが、バスで現金を取り扱う運賃箱は高価であり、2024年に新紙幣が出るとそのプログラムを改良する必要がでてくる。横浜市交通局には約800両のバスがあるため、そのコストは大きな負担だ。小島氏は「運賃箱の購入コスト、メンテナンス、現金の輸送コスト、携わる職員などを考えると、現金を取り扱わなくなればコストが下がります」と説明する。これに加え、業務面でも完全キャッシュレスのメリットは大きい。現状、一般乗合バスの運賃収受で現金を取り扱わないことは法令上認められないが、選択肢を広げて、現金が使えなくても不便がないような合意形成を作っていくことが重要であるとした。

タッチ決済の読み取り

50%相当をキャッシュバック
今後はさらなる認知度向上へ

109 系統特急便は、交通系ICカード、市営バス定期券、1日乗車券等に加え、Visa のタッチ決済での利用が可能だ。同実証実験は、監督官庁と調整して実証実験に取り組んでおり、現金利用は停止している。一方、「あかいくつ」等の観光系4路線では現金の取り扱いも可能だ。4路線では導入時の2021年12月1日~5日、および12月~2022年5月の10日、20日、30日に、Visaのタッチ決済の支払いで乗車運賃の50%相当分をキャッシュバックする取り組みを実施している。

左が109 系統特急便、「BAYSIDE BLUE」(中上)、「あかいくつ」(右上)、「ピアライン」(中下)、「ぶらり三溪園BUS」(右下)

109系統特急は9月末まで、観光路線は5月末までの実験を予定する。当初はどの程度の人が利用するかニーズを見極めるため手探りでスタートしたが、今後は認知度も高めていきたいとした。

まだまだ国内ではVisaのタッチ決済を含めたコンタクトレス決済の利用は成長途上だが、バス・鉄道での導入が増えてきて、相対的にコストが下がれば、受け入れられる可能性はある。具体的には、機器購入費用、決済手数料、機器の保守費用、システム利用料などの削減を期待している。現在はVisaのタッチ決済の実験を行っているが、今後はそれ以外の選択肢も含めて考えていく必要がある。例えば、QRコード決済も選択肢の1つだが、カメラの位置を合わせるなど、スピードの面で課題がある。小島氏は「ICカードに比べてスピードが遅くなると運行に支障をきたしますので、決済にかかる時間は重視しているところです」と語った。

カード決済&リテールサービスの強化書2022より

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