2022年6月2日7:50
ディーカレットDCPが事務局を務めるデジタル通貨フォーラムは、セブン銀行が幹事を務める小売り・流通分科会において、小売企業とそのパートナー企業(メーカー・卸売)間での取引に伴う決済業務に、デジタル通貨DCJPY(仮称)を活用する実証実験を、2022年6月9日より開始すると発表した。同実証実験を通じ、企業間での受発注から支払いまでの一連の商取引にブロックチェーンを使ってデータの真正性を担保しながらシステム上で完結し、サプライチェーンに関わる業務の効率化、高度化に向けた効果検証を行う。
同実証実験には、実施企業としてTISインテックグループのインテック、ツルハホールディングス、日立製作所(日立)、また、協力企業として花王グループカスタマーマーケティング(KCMK)、サイバーリンクスが参加する。
小売り・流通分科会では、小売流通分野における商取引の効率化・高度化に向け、納品管理や物流などさまざまな先行事例を共有しながら、同分野におけるデジタル通貨を活用したユースケースの検討や、スマートコントラクトを適用できる業務の検討などを行っている。
今回の実証実験では、小売・卸売の企業間における流通BMS(EDIサービス)を用いた商取引において受発注から支払いまで一連の流れをデジタルで完結することにより、主に商品受領後の資金決済業務における効率化の検証を行う。具体的には、担当者の負担となっている書類の照合・確認などの作業に対し、EDIとブロックチェーンを連携した環境上で、全ての取引データの真正性を担保した上で共有し、デジタル通貨を使って決済・送金を自動化することで、一連の流れをデジタルで完結させる。
同実証実験は、商取引のデジタル完結による業務効率の効果を定量的に検証するとともに、連携環境を構築・活用する上での技術的な知見を蓄積することを狙いとして実施するもので、商流から金流への流れを自動化するデジタル通貨の有用性の確認や、その基本機能の検証、技術的課題の整理などを行う。