2022年7月22日8:00
イオンの電子マネー「WAON」が今年15周年を迎えた。2021年10月には「Apple Pay」に対応したが、これにより「WAON」のデジタル発行が急速に進行したという。また、利用金額の一部が地域に寄付される「ご当地WAON」、各Jリーグクラブの運営に役立てられる「サッカー大好きWAON」など地域とのつながりを強化するとともに、外部加盟店開拓も強化するそうだ。
記事のポイント!
①国内の流通系電子マネーを代表する存在
②15周年を節目にモバイル展開をさらに強化
③地域貢献につながる「ご当地WAON」を利用者に訴求へ
④直近では40~45%くらいがモバイルからの発行
⑤グループポイントのWAON POINT集約がプラスに
⑥イオングループ以外への浸透を図る
⑦外部加盟店開拓で手数料面での競争力はあると認識
⑧「マイナポイント第2弾」のモバイルWAON登録に期待
⑨「自治体マイナポイント」の引き合いも
⑩利便性向上により、利用金額、稼働を高める
iOS版「WAON」は好きな券面を選んで利用可能に
幅広い年齢層に広がりを見せる
イオンの電子マネー「WAON」は国内の流通系電子マネーを代表する存在だ。2022年6月末時点で発行枚数が9,234万枚、年間利用金額2兆円を超え、「イオングループのハウスカードとしてだけではなく、外部加盟店も増えています。前払い式支払い手段として、現金のサービスをお得に使えるということでより身近にお客様に浸透できました。ICチップに記憶される仕組みのため、お客さまにとってよりセキュリティの高いカードとなっております」とイオンリテール 営業企画本部 WAON推進部 部長 山元環樹氏は述べる。
国内の非接触決済の成長の中で15周年を迎えたが、昨今はスマートフォンを活用した決済手段としてQR/バーコード決済が話題となっている。決済のデジタル化は進行しているが、イオンでも従来から提供するAndroidに続いて、2021年10月にiOS版「WAONアプリ」でApple Payに対応した。山元氏は「15周年を節目に、スマートフォンに搭載している『WAON』として、継続的に使っていただくお客様にとっての電子マネーになればいいと思います」と話す。
iOS版「WAONアプリ」の特徴として、「ご当地WAON」「サッカー大好きWAON」をはじめ、さまざまな券種を選んで利用可能だ。例えば、163種類ある「ご当地WAON」を全国どこからでも発行できる。「ご当地WAON」の場合、販売は特定地域に限られることもあったが、離れた地域の券面も自由に選ぶことが可能だ。「ご当地WAON」では、利用金額の一部をイオンから各自治体に寄付することで、地域貢献などにつながる事業に役立ててもらっている。「ご当地WAON」での決済は、連携する自治体だけではなく、全国どこのWAON加盟店で使っても寄付される仕組みだ。それは、「WAON」にとって大きな特徴のひとつであり、その特徴を利用者に伝えていきたいとした。また、利用金額がクラブの運営に役立てられる「サッカー大好きWAON」は48種類を発行している。
Apple Pay対応によるデジタル化を図ることで、会員の年齢層も広がりを見せており、これまでイオンと接点のなかった人に訴求できるツールとしての期待も大きい。WAONカードはイオンの店舗で手にされることが多いが、「WAONアプリ」では24時間365日、興味を持ってもらった瞬間に「WAON」を手にしてもらうことができる。
例えばイオンでは、7月から「美少女戦士セーラームーン」とのコラボデザインのカードを発行開始。7週間にわたり限定カードも用意する。「WAON」として初のキャラクターとのコラボカードとなったが、SNSを中心にプロモーションを行い、開始直後から発行枚数が伸び高い反響をお客さまからいただいているという。
40~45%がモバイルからの獲得にシフト
イオンリテールは6割がキャッシュレスに
これまでの成果として、Apple Payの開始前は、モバイルからの新規発行は1割程であり、店頭でのカード販売が9割を占めていた。山元氏は「直近では40~45%くらいがモバイルからの発行に代わり、カードは半分強くらいになりました」と述べる。また、モバイルは20代、30代、40代などの申し込みも多く、若年層の構成比が高まった。さらに、イオンカードに加えて、JCB、Mastercard 、American Expressとチャージの選択肢も多い。
なお、既存のカード利用者についても継続して便利に利用してもらいたいとしているが、スマホ決済の利便性をより多くの人に伝えていきたいとした。
イオンフィナンシャルサービス傘下のイオンクレジットサービスとイオン銀行では「イオンカード」を発行しており、イオン利用者などに便利に利用されている。現状、イオンリテール店舗の6割がキャッシュレス決済となっているように、「WAON」と「イオンカード」の浸透はグループのキャッシュレス決済の推進に大きな役割を果たしている。例えば食品はWAON、より高価な買い物はクレジット決済で支払うなど、上手に使い分けがされているそうだ。山元氏は「WAON POINTが両方で貯まり、値引きにも使えますし、(電子マネーとして)バリューに変えることもできますので、選択肢が整理されています」と説明する。「WAON」を展開するうえでもグループのポイントがWAON POINTに集約されたことでサービスが向上したとみている。
なお、イオンでは、会員コードでポイントを貯めたり、クレジットカードに紐づけた「AEON Pay」で決済が可能なトータルアプリ「iAEON」アプリを提供しているが、Androidの「モバイルWAON」とリンクして支払いが可能だ。
外部連携を強化し、利用箇所は約100万に
外部加盟店で利用できるメリットを訴求
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