2011年3月2日8:39
マスターカード・ワールドワイド(MasterCard)は、アジア/太平洋地域の女性を対象に今回初めて実施した「財務リテラシーの指標調査(MasterCard Worldwide’s inaugural Index of Financial Literacy)」の結果を発表した。
同調査では、アジア/太平洋地域の女性(特に30歳以上の既婚者かつ働く女性)は財務管理に関するある程度の知識を持っているものの、若年層を中心に、財務管理に関する知識を高める必要があることがわかった。総合財務リテラシー指標において、最高指数を獲得したのはタイの女性(73.9)であり、特に「財務計画」(87.0)、「投資」(69.3)の項目では、調査対象となったタイ以外のアジア/太平洋地域13市場の女性の中で、最高指数を獲得した。また総合指数70.1を獲得し、第4位となったベトナムの女性も注目に値する結果となった。一方、韓国(55.9)と日本(59.9)の総合指数は、地域最下位だった。
財務リテラシーの指標調査は、アジア/太平洋地域、中東、アフリカ地域の24市場1の消費者を対象に実施している一連の調査の1つである。同指標は、予算管理、貯蓄、クレジットカードの使用状況に関する回答者のスキルを検証する「基本的な金銭管理」、金融商品、サービス、概念、および金銭需要に対する長期的計画策定に関する知識を査定する「財務計画」、およびさまざまな投資リスク、投資商品に関する基本的理解を示す「投資」の3つの主要項目から構成されている。同指標は、3つの項目の加重合計から計算しており、財務リテラシーにおける最高指数を100とし、最低指数を0で示している。今回の調査は2010年9月13日から11月11日にかけて実施した。
同調査を構成する3つの主要項目のうち、アジア/太平洋地域の女性の平均指標は、「財務計画」(74.6)が最も高く、「基本的な金銭管理」(63.9)と「投資」(56.7)が続いた。先進国の中では、ニュージーランド(71.3)とオーストラリア(70.2)が総合指数第2位、第3位を占めた。この両国においては、「基本的な金銭管理」においてもそれぞれ第1位(76.7)、第2位(75.8)を獲得。「財務計画」においては両国ともに、他の12市場の平均を下回り、「投資」(55.2、58.3)においても低い指数となった。
総合指数第5位のシンガポールは、「基本的な金銭管理」(70.0)、「財務計画」(80.4)と高い指数を獲得した。しかしながら、「投資」に関するスキルと知識においては、地域全体平均を下回る指数(51.5)となった。
発展途上市場であるフィリピン(68.2)、インドネシア(66.5)、およびマレーシア(66.0)はいずれも上位10カ国に入り、インド、中国、日本、および韓国を上回った。
世界最大の人口を持つ発展途上市場では、インドと中国がそれぞれ、第11位(61.4)、第12位(60.1)であり、女性の財務リテラシーにおいて低い指数となった。中国とインドの女性は特に「基本的な金銭管理」において苦手であるという結果になった<中国(54.4)、インド(58.8)>。またアジア/太平洋地域において、女性の財務リテラシー総合指数が60未満となったのは日本と韓国だけだった。