2022年10月14日8:30
OLTAは、完全子会社のFINUXがライフカードと提携し、VisaとMastercardそれぞれが推奨する企業間決済スキーム「Business Payment Solution Provider(BPSP)」および「Business Payment Aggregator Program(BPAP)」に準拠する BtoB向けカード決済サービス「INVOYカード払い」の一般提供を、2022年10月7日より開始した。「INVOYカード払い」開始の経緯と目指す世界について、OLTA 取締役副社長兼CSO 武田修一氏に話を聞いた。
記事のポイント!
①VisaのBPSPはもちろん、MastercardのBPAPに国内で初対応
②カードでの支払いを受け付けていないBtoB取引先で決済可能に
③支払日を最大60日間後ろ倒しできる
④手数料は3%と業界最安水準
⑤ライフカードと提携して素早くローンチ
⑥OLTAは国内のクラウドファクタリングのパイオニア
⑦20行の銀行と提携、累計申込金額は1,000億円突破
⑧無料で請求書管理が可能な「INVOY」は9万ユーザー以上が登録
⑨インボイス制度を機に支払い関連のDXは進展?
⑩今後、請求書の受領機能を構築する予定
⑪「INVOYカード払い」トライアル版で大きな反響
⑫「INVOYカード払い」の当面の目標は?
⑬取引先から取引先に広がる世界を
⑭金融機関と手を携えて「INVOY」を社会実装へ
VisaのBPSPとMastercardのBPAPに対応
引き落とし日を最大60日間後ろ倒しに
「INVOYカード払い」は、クラウド請求書発行・管理プラットフォーム「INVOY(インボイ)」上で提供する事業者向けカード決済サービスだ。特徴として、VisaのBPSPに加え、MastercardのBPAPのスキームに国内で初めて対応した。「INVOY」ユーザーは、両ブランドのカードが利用可能だ。武田氏は「サービスの提供に向けて、多くのお客様に使っていただきたいと考えVisaとMastercardに相談しました。今後は他のブランドにも対応していきたいですね」と話す。国際ブランド準拠の決済サービスを提供する理由として、「継続性がある状態でサービスを行うため、ブランド準拠のサービスは必須だと判断しました」と武田氏は述べる。
企業やフリーランスは、「INVOYカード払い」の利用により、 カードでの支払いを受け付けていない取引先にもカードでの支払いが可能だ。「INVOY」ユーザーであれば、書類提出や審査もなく、即日利用できる。
支払いには、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカードが対象となる。例えば、クレジットカード払いでは、与信額の範囲内で利用でき、取引先への入金日はそのままに、実際の支払日(口座からの引き落とし日)を最大60日間後ろ倒しすることが可能だ。また、1請求情報に対し、1カードであれば登録を切り替えて利用することを前提に複数カードを利用できる。
武田氏は、「手数料は3%と業界最安水準ですので、他社との差別化になってきます。『INVOY』ユーザーの利用に加え、カード払いを機に、新たなユーザーにお使いいただくことも目指しています」と期待する。
OLTAでは、買い掛け先に立替払いを行い、後日ライフカードから料金を回収する。武田氏は「第三者であるOLTAが加盟店の役割を果たすことで、法人間決済におけるカード利用者を増やしていくことが自分たちの使命だと考えています」と述べる。ライフカードと提携した理由として、素早くサービスをローンチするために積極的な働きかけをしてもらった点が大きいとした。
「OLTAクラウドファクタリング」は20の銀行と提携
無料で請求書が発行できる「INVOY」は9万以上が登録
OLTAは、2017年に創業したフィンテックベンチャーで、クラウドファクタリングサービスを提供している。「データをもとに、企業が実力を発揮できる社会を作っていくことに取り組んでいます」(武田氏)。クラウドファクタリングをベースに新規事業を展開し、最終的にはBtoB与信/ソリューションプラットフォームを構築していきたいとした。将来は、スコアリングを活用し、ファクタリングなどの金融事業に限定せず、中小企業支援に関連した事業を幅広く展開する予定だ。その実現に向けて、3メガバンクや日本を代表するベンチャーキャピタルをはじめ、累計30億円超の資金調達を行っている。
「OLTAクラウドファクタリング」は、オンラインで請求書を必要な時に現金化できるサービスだ。小規模事業者やフリーランス等が売り掛け先に請求し、その中から2~9%の手数料を引いた金額が入金され、後日売り掛け先から入金があった際、その金額を支払ってもらうスキームとなる。武田氏は「日本ではオンライン型のファクタリングにおいて、OLTAがパイオニア企業です」と胸を張る。クラウドファクタリングを提供する背景として、請求による振り込みのスパンが遅く、特に中小企業、フリーランスの資金繰りが苦しくなっている構造がある。また、資金調達手段として考えた際、手形の廃止の流れ、カードローンの総量規制の影響、ノンバンク融資は低金利で不採算となっている点などがあり、地方銀行や信用金庫などからの調達が選択肢となる。OLTAのクラウドファクタリングでは、オンラインにおいて24時間365日請求書を現金化でき、すべてオンラインで完結可能だ。すでに20行の銀行と提携しており、累計申込金額は1,000億円を突破した。
また、SMB(スモールビジネス)の業務効率化に向けて、無料で請求書管理が可能な「INVOY」を展開しており、9万ユーザー以上が登録している。「INVOY」では、請求書発行からスタートしたサービスだが、現在は入出金管理にも対応している。口座自動連係や資金繰り表にも対応した月980円(税込)の課金プラン「Standardプラン」も2022年2月より開始したが、「Freeプラン」は永年無料で利用可能だ。
武田氏は「将来的には『INVOY』で作成された請求書をクラウドファクタリングで資金化することも一般化させていきたいと思いますが、現状、クラウドファクタリングは地方銀行様との提携で広めつつ、『INVOY』上には別のソリューションを届けたいと考えました」と説明する。
インボイス制度を機にDXは進展
「INVOYカード払い」はトライアルでニーズを実感
このコンテンツは会員限定(有料)となっております。続きを読むには「Paymentnavi Pro 2022」のお申し込みが必要となります。
詳細はこちらのページからご覧下さい。
すでにユーザー登録をされている方はログインをしてください。