2023年4月13日8:30
ツールとしての弱点の改善と加盟店への導入を同時並行で推進
GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、業界の中でも先頭をきって、「EMV 3-Dセキュア(EMV 3-DS)」への対応に着手。3DSサーバーを提供しているベンダーよりライセンスを取得し、自社でサーバーを保有することによって、迅速・柔軟な管理運用体制を敷いている。EMV 3-DSを国内に浸透させるにあたり、まずは不正リスクが顕在化している加盟店を対象に導入を推進。同時に、EMV 3-DSに関する正しい情報を広めることにも注力している。現状、EMV 3-DSは、フリクションレス率が当初想定していた9割台に到達しない、動的パスワードの活用が進んでいないといった課題も抱えているというが、今後はこれを改善し、より効果的な不正利用被害防止策につなげていきたい考えだ。(「決済セキュリティ2.0」より)
EMV 3-DS導入義務化によって
EC周辺にどのような変化が起きるのか
GMO-PGでは、2022年初頭からEMV 3-DSの対応に着手。業界の中でも先頭をきって、いち早く3-DS 1.0からの切り替えを進めてきたという。
GMO-PGは、3DSサーバーを提供しているベンダーよりライセンスを取得し、自社でサーバーを保有。迅速で柔軟な管理運用を行えることを強みとしている。レスポンスにやや時間がかかるというEMV 3-DS特有の現象はありながらも、これまで特に大きな問題が発生することはなく、順調に稼働を続けている。
3-DS 1.0からの切り替えと並行して、新規導入にも力を入れる。まずは不正被害やリスクが顕在化している加盟店、あるいは取扱商品の特徴などによって潜在的にリスクを抱えている加盟店から順次、導入を訴求していく。また、同社 イノベーション・パートナーズ本部 課長 財津拓郎氏は、「EMV 3-DSについての正しい情報を伝えることも、われわれの重要な使命です」と語る。「不正が顕在化していない加盟店であっても、EMV 3-DSを活用するメリットを理解して、導入したいということになれば、優先して対応させていただこうと考えています」(財津氏)。
経済産業省はEMV 3-DSの導入を全加盟店に義務付ける方針を打ち出している。もしそうなれば、これからECを始める加盟店にとっては、そのためのシステム開発コスト、導入コストが必要になり、参入のハードルが上がることになる。加盟店にとって、コストや手間を軽減しながらECを展開するには、EMV 3-DSに対応したカート機能が搭載された、たとえばGMOメイクショップなどが提供している、PSPによる月額料金の決済サービスを利用するのもひとつの有効な手段だ。しかし当然、PSP側にもEMV 3-DS対応のための原価がかかってくるため、今後はサービス料金の見直しが必要になる可能性もあるという。
EMV 3-DSの義務化に向けて、GMO-PGでは、最新の情報をもとに具体的な課題を抽出して、早急に社内外の議論を深めていかなくてはならないと考えている。
業界が一致団結して
課題解決に臨むことが求められる
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