2023年4月24日12:00
メルカリとメルペイは、2023年4月17日にバブル世代からZ世代まで、4世代別の価値観や決済手段を比較した調査結果についての説明会を開催した。当日は、世代・トレンド評論家 牛窪恵氏が同調査結果について説明した。また、メルペイ 執行役員 CPO 成澤 真由美氏がメルペイとメルカードの状況について紹介した。
Z世代は「サプライズアレルギー」
半数がリアルタイムなお金の把握を望む
Z世代の行動特性とクレジットカード利用に関する調査は、Z世代（18-26歳）、ミレニアル世代（27-42歳）、氷河期世代（43-51歳）、バブル世代（52-57歳）まで、4世代別の価値観や決済手段を比較した。同調査の結果、Z世代で見えてきたことは「サプライズアレルギー」だとした。
まず、効率的ではないことや想定外なことを避けることがサプライズアレルギーを持つ世代だと牛窪氏は説明した。Z世代の時間や透明性に関する考え方として、同率1位で「効率的でないことにストレスを感じる（63.3％）」「時間を圧縮するための手段・行動を考えることが多い（63.3％）」、2位は「想定外のこと/サプライズなことはできるだけ避けたい（61.4％）」という結果になった。また、半数以上が「結論だけ先に知りたい（57.3％）」「デリバリーは配達状況を見て、いつ到着するか確認する（51.3％）」「プレゼントは先に相手に欲しい物を聞いて購入する（51.3％）」など、想定外を好まない、想定外が起こらないように備えたい傾向が見えた。
バブル世代との比較として、想定外のことが起こるのは「失敗」だと捉えるか「経験」だと捉えるかを聞いたところ、バブル世代は21.3%に対し、Z世代は30％が失敗と捉えた。現金50万円をもらったらどうするかを聞いたところ、どの世代も「貯金する」が最も高い結果となったが、その中でもZ世代が最も高く約8割（77.3%）が貯金すると回答した。その理由として、回答者の約半数が「緊急時の備えができる／将来の不安に備えるため」と回答しており、想定外に備えるZ世代の傾向が明らかになった。月々の収支に関して、バブル世代は86.6%が把握していると回答する一方で、Z世代は72.0%と相対的に把握できていない傾向にあるとした。
現在利用しているクレジットカードの選択理由として、全世代では「ポイントの還元率が高いから（43.2％）」「年会費が安い／かからないから（41.7％）」とお得かどうかが選択理由の上位になった。バブル世代は特にお得が顕著に出ているが、Z世代はそこが上位ではあるものの、「家族や友人に勧められたから」「専門家やインフルエンサーが勧めていたから」「カードの名前を聞いたことがあった」など、知っている/理解しているサービスで安心できるものを選択する傾向にあるとした。
一方でクレジットカードの懸念点を聞いたところ、バブル世代は、「失くしたときの対処に手間がかかる（29.1％）」「セキュリティに不安がある（26.0％）」とセキュリティ面が上位であったが、Z世代は、「つい使い過ぎてしまう（32.3％）」と「決済後に利用明細の反映に時間がかかる（27.3％）」がそれぞれ約3割と上位となった。また、利用明細がリアルタイムに把握できないことについて、不安を感じるという回答がZ世代は約半数（51.5％）となった。
利用したいクレジットカードの特長としては、「よく使うアプリで使える・管理できる（Z世代72.0％、バブル世代54.7%）」「支払い方の柔軟性が高い（Z世代74.0％、バブル世代56.0％）」となり、「Z世代は柔軟性の高いものを求めている」と牛窪氏は話す。
利用上限金額を自分で設定できるという特徴を持つクレジットカードを利用したいと思うかという質問では、Z世代が70.7％、バブル世代では61.3％が利用したい意向を示した。また、利用上限金額を自分で設定できるアプリに関しては、Z世代が70.7%、バブル世代が61.3%、使いたいと回答している。
メルペイスマート払いやメルカードの利用状況は？
約6割が自身で利用上限を設定
「メルペイ」や「メルカード」の状況については成澤氏が紹介した。「メルカリ」は2013年に提供を開始し、月間利用者数2,100万人、累計出品数30億品を突破している。2019年には決済サービス「メルペイ」を提供開始し、売上金を日常の買い物でも利用できるようになった。「メルカリ」と「メルペイ」の利用実績をもとにした後払いサービス「メルペイスマート払い」の提供も開始している。2020年には、「メルペイスマート払い」の精算金額を月々に分けて支払える定額払いの提供もスタートした。2022年11月に「メルカリ」アプリで完結する「メルカード」の提供を開始している。
