2023年9月13日19:51
Adyenは、自社が発行したアクティブなネットワークトークンの数が20億以上に達したと発表した。同数字は、秘匿化しなくても安全であるトークンにクレジットカード番号を変換するネットワークトークン化となるそうだ。
ネットワークトークン化によって、決済の承認率は平均3%上昇しており、この数字は毎月数億円の増収に相当するという。
ネットワークトークンはクレジットカード番号(PAN)に比べて決済処理の費用が安価であるため、企業はコストを削減しながら、決済の承認率と収益を増加させることができる。これは、サブスクリプションやデジタルビジネスを行っている企業にとっては特に大きな革新であり、オンラインでの買い物時に顧客が「カード情報の詳細を保存する」操作を大幅に簡略化できるようになる。
デジタル決済とEコマースの近年における急成長は、COVID-19のパンデミック後にさらに拍車がかかり、その結果、不正利用も急増している。Adyenの調査では、39%の企業が不正利用の動きは過去12カ月間で増えたと回答した一方、効果的な不正検知システムを導入しているとした企業は60%に過ぎなかった 。不正利用が各業界の企業にとって重大な課題となっている現在、ネットワークトークン化が、安全でシームレスなオンライン決済を実現するためのカギとなっているそうだ。
ネットワークトークン化は急成長しているテクノロジーであるため、現時点ではすべてのカード発行会社が導入しているわけではない。この課題を解決するために、Adyenは、決済時のネットワークトークンかクレジットカード番号かのいずれかを選択できるように、機械学習でネットワークトークンを最適化する機能を提供しているそうだ。これにより、決済処理の承認率はさらに1%増加したという。
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ペイメントナビ編集部
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