2025年12月24日14:00
ネットスターズは、インバウンド旅行客向けに米ドル建ての新しい電子マネーであるステーブルコイン「USDC」を、羽田空港第3ターミナル内の一部店舗で支払い手段として新しく取り扱うサービス実証を行うと発表した。サービス実証は近日開始予定だ。

USDCは、米国の法令に準拠して発行されている、世界でも代表的なステーブルコインだという。米国においては2025年7月にステーブルコイン関連法である「ジーニアス法(Genius Act)」が成立し、ステーブルコインを活用した決済について注目が集まっている。日本国内でもJPYC(円建てステーブルコイン)の発行が開始されるなど、デジタル通貨への関心が世界的に高まっているそうだ。
羽田空港は日本の空の玄関口として多くの訪日外国人が利用しており、旅行者の多様な決済ニーズに応えることが求められている。特に、海外で普及が進むステーブルコインを活用した決済は、インバウンド旅行客の利便性向上や、キャッシュレス社会の推進に貢献すると期待されている。
一方で、Web3上で流通していたステーブルコインをリアルな店舗決済に接続するには、技術面・運用面での課題が残されている。今回のサービス実証は、こうした課題解決に向けた第一歩の取り組みだという。
ネットスターズは、10年以上にわたり店舗と決済サービス事業者をつなぐゲートウェイ事業を展開し、特にQRコード決済サービスへの接続に強みを持っている。Web3領域においても数年前から次世代の決済手段について研究・開発をすすめてきたそうだ。ステーブルコインの社会実装に向けて法的整理から取り組み、USDCをネットスターズの決済ゲートウェイサービス「StarPay」の対応決済手段に追加するという形で、加盟店に提供する。
ネットスターズは、ステーブルコイン決済の障壁の1つである加盟店側の煩雑な事務コストの課題に対応するソリューションとして、利用者による店舗決済用に、ネットスターズが提携するWEA JAPAN社が開発したステーブルコイン決済用のQRコードを提供する。これにより、利用者は、加盟店での支払い時にQRコードを表示し、店舗が読み取ることで、利用者自身が管理するステーブルコインを活用して決済を行うことができる。加盟店は、ネットスターズの既存ゲートウェイサービス「StarPay」と同じように、支払い用のQRコードを読み取って商品を渡し、売上の精算まで行える。
羽田空港というインバウンド旅行客が集まる場でサービス実証を行うことで、店舗とユーザー双方に新しい支払い体験を提供し、今後より簡易にステーブルコインが支払い手段として店舗に導入できることを目指す。なお、同スキームに関し、本プロジェクトの担当弁護士 清水 音輝氏より、「関係者による社会ニーズの分析や技術上の研究成果により、本件は国内法規制の適用関係を上手く整理して、特に資金決済に関する法律を遵守した形でサービス実証を開始できる」と確認しているそうだ。
ネットスターズでは今後、実証実験の結果を踏まえ、他空港や商業施設への展開も視野に入れ、ステーブルコインの社会実装を推進していく。ネットスターズは、Web3技術とリアル社会をつなぐ新たな決済インフラの構築に取り組む。














