スクデット、家電EC「エクスプライス」が語る、不正利用を大幅に削減できた理由 〜不正検知サービスの選定から、導入、運用方法まで〜(下)

2024年4月4日8:40

目視チェックの件数が激減
ルールの併用でさらに検知精度を向上

関:次がいよいよ運用のフェーズです。実際に使われてみての感想はいかがですか。

大西:Siftが一律にリスク判定を行い、白黒つけられないミドルリスクの取引についても、あらかじめすり合わせをした基準にしたがって目視チェックを行うので、どの従業員が行っても同じクオリティで判定を行えるようなり、熟練の技に頼る必要がなくなりました。モデル学習中にスクデットが目視チェックのポイントを細かくレクチャーしてくれたことが役に立っています。結果、目視チェックにかかるオペレーションの時間が、導入前の約2時間/日から、約10分/日に短縮しました。目視チェックにあたり、今まで自社では取得できていなかったデバイス情報やサイト内での行動などの情報は、Siftの管理画面で確認することができます。

Siftは機械学習モデルのスコアに加えて、独自の基準をルールとして設定できるので、不正の傾向や商品の特性を踏まえてルールを追加することで、さらなるオペレーション負荷削減を図ることが可能です。弊社は過去実績を踏まえて、特定の条件に当てはまる場合不正ではないというルールを後から追加しました。

オペレーションをする中で、Siftや不正に関しての疑問が生じたとき、スクデットに問い合わせるとたいていすぐに回答してくれます。またスクデットは定期的にレポートや施策提案を届けてくれるので、安心して運用を行っています。

関:機械学習モデルが学習を深め、精度を向上させていくと、目視チェックをしなければならない取引はどんどん少なくなっていきます。エクスプライスでも1日10分まで短縮できていますが、このひと手間をかけることで精度が維持・向上できていることも事実です。社内にしっかりとオペレーション体制をつくって、不正対策に取り組んでいただいていることも、成果を上げる要因になっていると思います。

先ほど大西さんがおっしゃられたように、Siftでは機械学習モデルのスコアリングとルールを併用することが可能です。この取引は通したいとか、これは絶対に通したくない、目視チェックしたいといった要望や、お客様サイドで持っている不正情報を、ルールに取り込んで実行することで、不正対策のオペレーションをより効率化したり、不正検知の精度を向上したりすることができます。ルールの設計や実装はすべて弊社が行いますので、お客様の負担はございません。

Sift導入以降、不正取引は90%減少
オーソリ承認率は17ポイント増に

関:大西さん、導入の成果はいかがですか。

大西: Siftが本格稼働を開始した2023年8月から約7カ月を経て、現時点で確定している不正は4件、14万円のみ。以前は毎月百数十万円の不正被害が発生していましたので、90%以上の減少です。

また、クレジットカードのオーソリ承認率は、2023年6月に68%だったものが、12月には85%まで上昇しています。つまり、不正金額が減少しただけでなく、売上高の向上も実現しています。

関:不正が多く発生しているとどうしてもクレジットカードのオーソリ承認が厳しくなりますが、不正利用が削減したことで如実に承認率が上がり、売上高の向上に繋がっているのですね。

エクスプライスでは現在、Siftのリスク判定に基づき、リスクが高い取引のみをEMV 3-Dセキュアに通し、リスクが低いものは通さない施策の準備を進めているところです。これによって現在EMV 3-Dセキュアの段階で約11%発生している離脱、つまりカゴ落ちを最小化できると考えています。

弊社ではこの施策を、Sift導入による不正利用減少の効果を確認した後にご提案させていただきました。不正が多く発生している段階で、こういった施策を提案する事業者がいるようですが、それは危険です。しっかりと不正を抑え込んだ後で、売上アップに繋がるような施策にも取り組むことが大事だと弊社は考えています。

最後に簡単にSift の紹介をさせていただきたいと思います。Siftはアメリカに本社を置く、評価額が10億ドル以上のいわゆるユニコーンに属する企業です。Siftのプロダクトラインナップは3つから構成されています。その中の1つ、「Payment Protection」は、主にEC事業者を対象とした決済・購入時点での不正対策のプロダクトです。「Account Defense」は、アカウント登録やログインにおける不正対策のプロダクトです。「Content Integrity」は、サイトに商品レビューのようなコンテンツを投稿する際の不正対策のプロダクトを提供です。お客様はそれぞれの課題に合わせてその中の1つを導入することもできますし、すべてを導入して総合的な不正対策をとることもできます。それぞれのプロダクトのAPIは共通なので、まず1つを導入して、追加で別のプロダクトを導入することもできます。多面的・重層的な対策として、Payment Protectionのような決済・購入時点での不正対策のプロダクトとAccount Defenseのようなアカウント登録やログインにおける不正対策のプロダクトを併用するEC事業者は、今後増えていくのではないかと考えています。

※本記事は2024年3月5日に開催された「ペイメント・セキュリティフォーラム2024」の採録記事となります。

お問い合わせ先
■株式会社スクデット
〒104-0028
東京都中央区八重洲2-11-7 一新ビル8F
TEL:03-4520-5550
HP https://scudetto.com/
Sift紹介 https://sift.scudetto.com/
問い合わせ https://scudetto.com/contact

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