2024年4月3日7:35
近畿日本ツーリストは、これまで紙で発行していた旅行ギフト券をWeb対応型にリニューアルし、「フリーセレクション」「ベストセレクション」として販売を開始した。購入は、同社のWebサイトから。ギフトカードなしの場合は、購入者がクレジットカードで決済後、即、カード番号などを通知して引き渡し。ギフトカード付きの場合は、銀行振込での入金を確認後、宅配便で届ける。従来の紙のギフト券は、利用時には店舗に持参、またはコールセンターに郵送する必要があったが、新しいギフト券はその手間がなく、カード番号とPIN番号を入力するだけで利用できる。そのため旅行の予約から決済までをすべてWeb上で完結することも可能になり、利便性が大幅に向上した。
Webで購入から利用まですべてに対応
デジタル化により来店・郵送の手間を削減
近畿日本ツーリストでは、これまで数十年にわたって発行してきた紙の旅行ギフト券を、Web対応型のデジタルギフト券にリニューアル。2023年12月18日より「フリーセレクション」「ベストセレクション」として販売を開始した。紙のギフト券は利用時に、店舗に持参、あるいはコールセンターに郵送する必要があったが、新しいギフト券はカード番号やPIN番号を入力することによって利用可能なため、来店や郵送の手間がなくなり、大幅に利便性が向上した。
「フリーセレクション」は同社店舗ならびにWebサイトで取り扱う国内・海外のパッケージ・宿泊商品、および、同社店舗を通して予約するクラブツーリズム旅行商品に充当できる旅行ギフト券で、有効期限は発行日から5年間。「ベストセレクション」は同社が厳選した宿泊施設が利用できるペア宿泊ギフト券で、5万円から50万円まで4種のラインナップがあり、いずれも宿泊予約の有効期限は発行日から1年間だ。
これらのギフト券を受け取った人は、まずWebサイトで利用登録を行う。これによって紛失時の使用停止や再発行、未使用の場合の有効期限の案内の受け取りなどが可能になる。旅行予約時には、カード番号と、利用登録時に発行されたPIN番号を入力することによって、ギフト券を使用できる。これによって旅行の予約からギフト券を使った決済までを、Web上で完結することが可能になった。
ベストセレクションはカード番号とPIN番号の告知のみで予約が可能。もちろん店頭でもギフト券を利用することは可能である。
ギフト券の購入は、同社のWebサイトから行う。ギフトカードなしの場合には、クレジットカードで決済後、即、カード番号や認証キーなどが通知され、引き渡しが完了。ギフトカード付きで購入する場合には、申込手続き後、銀行振込で代金を支払い、入金確認後5日以内に宅配便でカードが届く。また同社の店舗、一部特約店の店頭では、現金払いでギフトカードを購入することができる。
店舗網の縮小に伴い
利便性の向上がますます大きな課題に
同社の旅行ギフト券は、結婚、銀婚式など家族の祝い事や、商店街や商業施設がクリスマスや年末のイベントの景品として、また、企業が永年勤続表彰や福利厚生の一環としてなど、さまざまな場面で長年にわたって使われてきた。件数では個人の利用が多いが、金額では法人利用が個人を大きく上回る。
利用の場面では、以前はリアルの店舗に顧客が紙のギフト券を持って行って、支払いに充当するというのが一般的だった。しかし近年は、徐々に店舗網が縮小。Webやコールセンターから旅行を申し込んだ人に、ギフト券の郵送をお願いするケースが増え、このオペレーションの煩雑さを解消することが、大きな課題として浮上していた。その解決策として開発を急いできたのが、今回スタートしたWeb対応型の「フリーセレクション」「ベストセレクション」である。
サービス開発にあたり、リチャージして使い続ける残価型も検討されたが、最終的に使い切り型とすることに方針を決定。その理由は、ギフト用商品であることを鑑み、「これ自体をお財布代わりにするのではなく、自分のお財布の中身にこれを足して、よりリッチな旅行を楽しんでいただきたいと考えたからです」と近畿日本ツーリスト 事業推進本部 森裕氏は説明する。
同社の旅行ギフト券の販売額は、まだコロナ禍以前の水準までには回復していない。そのため、今回のリニューアルによる利便性の大幅な向上を周知することによって、回復のスピードに弾みをつけたい考えだ。また、少し先のことにはなるが、有効期限が5年間の「フリーセレクション」を、4年経過しても未使用の人に対して、メールで通知し、利用を促す施策を実施する予定である。