2024年5月13日8:00
世界最大のカード決済端末メーカーであるIngenico(インジェニコ)の日本法人、Ingenico Japan(インジェニコ・ジャパン)は昨年2023年に創立10周年を迎えた。決済端末メーカーとして確固たる地位を築いた同社は、次の10年に向けて、日本市場での更なる飛躍を誓う。その成長戦略として描くのは、Android端末の投入と決済エコシステムを構築するイネーブラーへの進化だ。(提供:Ingenico Japan株式会社)
20万台以上が稼働し国内市場で成長
APAC地域の戦略的市場と位置付け
インジェニコ・ジャパンは株式会社Lyudiaとして2013年に創立し、同年12月12日に、日本国内における総代理店契約を締結、その後、現在の社名に変更した。
2014年3月に日本カードネットワークのJET-S端末として「iWL250」端末を提供する契約を締結したのを振り出しに、富士通フロンテック、NTT Dataをはじめとする多くのパートナー企業とビジネスを展開した。2023年時点で20万台以上の決済端末を日本市場に提供しており、設置先は百貨店、食品スーパー、家電量販店、飲食店、宿泊施設、自動販売機など多岐に渡る。
仏Ingenico Chief Customer Officer Nigel Lee (ナイジェル・リー )氏は「日本には約300万台の端末が稼働して、さらに成長を続けている素晴らしい市場です。デジタル決済をめぐる多くのチャンスがあります。日本はインジェニコにとってAPAC地域の戦略的市場です」と話す。
Ingenico Japan 代表取締役社長 Xavier Michel(グザビエ・ミシェル)氏は「インジェニコは、ビジネスの新しい世界を切り開くお手伝いをします。私たちは、皆様から信頼されるパートナーとして、これからも皆様と変化する市場トレンドに適応していきます。」と次の10年への意欲を示す。
Android端末で国内市場の開拓拡大
オールインワンの「AXIUM DX8000」投入
グザビエ氏は「次の10年も、パートナー企業とともに、一段の成長と業容拡大に向けた取組みを進めています。」と力を込める。その成長戦略として打ち出しているのが、Android端末への移行と、決済エコシステムを構築するイネーブラーへの脱皮だ。
2023年は、Android10搭載のオールインワンPOS端末「AXIUM DX8000」をローンチし、Android端末移行へ確かな一歩を踏み出した。「AXIUM DX8000」はEMVチップ&PIN、非接触、磁気、デジタルウォレット、QRコードなど多様な決済方法に対応する。また、パフォーマンスを最適化しながら店頭での生産性およびセキュリティの向上を可能にする。
2024年は、Android 端末AXIUMシリーズ「EX8000」「RX5000」「RX7000」というニューモデルの導入への準備を行なっており、日本における各種認証を取得する手続きを進めている。
決済エコシステムをインタラクティブなサービスへ
Phos 買収でSoftPOSも強化
インジェニコは2023年4月にSoftPOS(ソフトポス:スマートフォンやタブレットなどの汎用的なデバイス上でソフトウェアのみで決済機能を実現するサービス)の大手プロバイダーであるPhos(フォス)を買収するという戦略的な動きにより、重要な一歩を踏み出した。SoftPOSは、ダイナミックかつ急成長中の市場であり、SoftPoS端末の導入台数は、世界中で2022年の310万台から2027年には1200万台近くまで増えると予想されている。
SoftPOSは、ハードウェアに制約される従来のソリューションとは一線を画している。スマートフォンやタブレットなど、日常的に使用される消費者向けデバイスを汎用性の高い決済端末に変えることで、特に小規模なマーチャントに対して新たなレベルの機動性と柔軟性をもたらす。グザビエ氏は「フォスはSoftPOS分野のトッププレーヤーであり、今回の契約により、インジェニコはマーチャントのペイメントアクセプタンスを促進する能力を拡大することになります。クライアントに向けた新たなサービスの提供方法への戦略的拡大を継続し、決済業界で選ばれるエコシステム・イネーブラーとしての役割を強化したいと考えています。」と意欲を示す。
デジタル決済ニーズに対応するAndroid端末
日本企業の決済/コマースを進化へ
新型コロナウイルス感染症の世界的流行がもたらした経済的ショックが落ち着きを見せる一方、地政学的リスクが相次いで顕在化するなど、世界経済は不透明感が増している。経済大国の一角を占める日本にも、原油、資源高に伴うインフレの影響を受けている。しかし、ナイジェル氏は「困難な逆境がイノベーションをもたらすこともあります。特にペイメント業界は、ウイズ・コロナへの順応と繁栄のために大きな変化を遂げました。」と話す。
日本政府はキャッシュレス決済を積極的に推進し、消費者と事業者の双方に補助金やインセンティブを提供し、デジタル決済方法の導入を促しており、QRコード決済を筆頭に、多様な決済手段が登場している。この動きは、様々なデジタル・ウォレット・サービスの出現と急速な普及によって補完され、電子商取引とPOS取引の両方でますます人気が高まっている。
ナイジェル氏は「伝統的に現金中心の文化で知られる日本では、デジタル決済やキャッシュレス決済へのシフトが著しい。マーチャントは、さまざまなデジタル決済を受け入れなければならない状況に置かれており、それを実現させることができるのはAndroid端末やSoftPOSだと考えています。インジェニコは”Moving Commerce Forward(コマースを前進させる)”をタグラインとして掲げ、先見性と決断力をもって皆さまと共に日本の決済とコマースの旅路を歩んでいきます。インジェニコがコマースの可能性を押し広げ、新たなベンチマークを設定し、日本における決済と商取引の未来が堅固で革新的かつ効率的であり続けることを保証するために、私たちのコミットメントにご参加いただけることを願っております」と決意を示している。
■お問い合わせ先
Ingenico Japan株式会社
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-2-8
虎ノ門琴平タワー 4階
TEL:03-6268-8730
e-mail:info-jpn@ingenico.com
URL:https://ingenico.com/jp