Forter、生成AIの登場で巧妙化するクレジットカードの不正に対抗 加盟店向けサービスに加え、EMV-3Dセキュア対応のイシュアも機械学習で支援へ

2024年4月26日8:30

米国・Forter(フォーター)は、機械学習を用いた不正対策プラットフォームを提供している。同社では加盟店に対し、リアルタイムにクレジットカード等の不正行為を検知するソリューションを提供しているが、今後はEMV 3-DセキュアのACSベンダーと連携し、イシュア(カード発行会社)を機械学習で支援するソリューションの提供を計画している。Forter 共同創業者 兼 CEO Michael Reitblat(マイケル・ライトブラット)氏にグローバルでのクレジットカード不正被害の傾向、EMV-3Dセキュアと不正検知ソリューションの兼ね合い、競合に比べての強みなどについて話を聞いた。

Forter 共同創業者 兼 CEO Michael Reitblat(マイケル・ライトブラット)氏(右)とカントリーマネージャー 野田 陽介氏

botアタックが強力化
小売に対する不正行為も課題に

国際的なクレジットカードなどの不正被害の傾向としてマイケル氏は3つを挙げる。1つ目は、犯罪にも生成AIが使われ始めている点だ。犯罪者は従来からAIを不正に使っていたと思われるが、生成AIの進化により、偽のIDを作成することも容易になり、それほど不正に関する知見がない人が犯罪を行いやすくなった。マイケル氏は「生成AIを活用することによって、非常にシンプルな攻撃を何千回と重ねることによって、結果を出せてしまう世の中になりました」と警鐘を鳴らす。

2つ目は、botアタックが強力化している。クレジットの取引後に加え、アカウントを乗っ取る犯罪に使われている。グローバルでbot攻撃のレベルが高度化しており、実際日本でもカードの規則性を利用して他人のカード番号を詐取する「クレジットマスター」による被害が増えている。すでにbot攻撃は、画像解析によりキャプチャーツールを乗り越えて発生しているという。

3つ目は、小売店を対象としたさまざまな不正だ。新規アカウント向けのプロモーションを悪用したり、返品ポリシーを悪用したり、すでに使用した商品を返品する行為などが見受けられる。クレジットカードに加え、ポイントプログラムを悪用する事例も増えている。National Retail Federationによる2023年の調査では、プロモーション、返品、商品未受領クレームの濫用により、企業は収益の2%の損失となった。

正規の、悪用を行う人間を判別する技術が強み
取引判定のすべてが自動化

Fraudology Benchmark Reportによると、企業の75%が、過去1年間で詐欺・不正攻撃の件数が増加していると報告している。また、Forterの調査によると、クレジットカードのオーソリ承認時、5件に1件は不正の疑いによるブロックがあり、その取引の5件中2件は正規顧客だった。つまり、1億ドル(日本円で約150億円)のオーソリ承認がある場合、800万ドル(日本円で約12億円)が正規顧客をブロックしているため、加盟店の機会損失が発生している。

このように、不正のリスクが増大する中で、正規の人間、悪用を行う人間を判別する技術がForterの強みだ。同氏は登場人物がマスクを使って別の人間になりすますシーンが特徴の映画「ミッションインポッシブル」を例に挙げ、そのマスクの先に何があるのかを見えるようにすることが重要であるとした。「複数の不正者が複数の店舗に対して攻撃を同時的にかけるケースが存在しており、それをグローバルで認識をできる力が必要になります」(マイケル氏)。Forterを導入している企業は、前回の「サイバーマンデー・ブラックフライデー」では、業界の中でも最低数の不正を許すのみだったという。

同社製品を使用するメリットとして、取引判定のすべてが自動化されており、加盟店がルールを設定する必要がないため、運用効率が担保されているそうだ。また、加盟店のROI(投資利益率)を数字として提供している。具体的には、チャージバック損失とコンバージョン(承認率)について数字を契約書に書いて結果を保証する。1つは、チャージバックがこれまで10あったら2になるという保証がベースだ。また、チャージバック自体を負担したくない加盟店には、その損失を同社が補填するモデルも提供している。アナリストが規模や商材の要素を加味し、分析して、補填額を提案する。

類似サービスに比べての強みは?誤判定の真正阻害改善も
ACSベンダーとイシュアを支援するソリューション提供へ

近年では、グローバルに不正検知を提供する企業が国内に進出しており、同社と比較されることも多い。そういった中、同社はどのような点を強みとしているのだろうか? 例えば、成り立ちが近い企業と比較されるケース、国際ブランドの提供するソリューションとの競合が挙げられる。

「弊社は創業当初からすべてAIベースで自動化による不正検知を提供しています。システムの開発にあたって、バイヤーを特定することを主目的としてシステムを作り、そこから進化をして、フルアイデンティティ・インテリジェンス・プラットフォームに成長しました。トランザクション件数は1兆ドルを超える取引をモニタリングしています。バイヤー側として相対している人数は16億人で、一人年間平均28回の取引を目にしていますので、頻度が高く、全体の流通取引総額も大きくなりました」(マイケル氏)

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