2024年9月19日10:05
三菱商事、KDDI、ローソンは、2024年9月18日に記者会見を開催し、ローソンの「未来のコンビニ」のコンセプトを発表した。「AIスマホレジ」では店舗にチェックインするとレジを通らずに買い物、支払いが可能となる。また、ローソンでのお買い物などがお得になる「Pontaパス」を10月2日から提供するなど、Ponta経済圏のさらなる拡大を目指すという。
池谷貴
新しいコンビニモデルの幕開け
3社協業のワーキンググループ始動
ローソンは1975年に大阪府豊中市に1号店をオープンし、2000年に三菱商事が出資した。2017年に三菱商事が子会社化し、2019年にKDDIとローソンが資本業務を締結した。2024年2月に「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値創出に向けた資本業務提携契約を締結し、4月にKDDIによるローソンへのTOB(株式公開買い付け)が成立している。三菱商事 代表取締役 社長 中西勝也氏は「東日本大震災やコロナ禍などの数多くの困難にも直面しましたが、三菱商事グループ一丸となり、ローソンを後押し、共に成長してきました」と話す。出資当時の三菱商事の純利益は1,000億にもみたなかったが、利益を上回る規模の投資を実行できたのは、「ローソンが小売業という枠組みを超えて、社会ユーザーとしての大きな可能性を秘めていくと確信を持ったからです」と中西氏は話す。今回創業50周年を迎えるタイミングで、KDDIを新たなパートナーとして迎え入れることとなった。9月からの新体制では、三菱商事とKDDIが50%ずつ出資する共同経営となっている。今後は両社でローソンのさらなる成長を支え、生活者に新たな価値を提供することで、新しいコンビニモデルの幕開けにしたいとした。
ローソン 代表取締役社長 竹増貞信氏によると、同社では「Global Real × Tech Convenience LAWSON Groupへ」を掲げ、12テーマからなる3社協業のワーキンググループを始動している。三菱商事やKDDIの知見を得て、デジタルマーケティングやデータマーケティングなどを強化していく。また、フードテック、クイックeコマース、エンタメ、金融などでワーキンググループを立ち上げ、ローソンを進化させていく。
ローソンでは店舗DXとして、ロボティクスやデジタル化などにより、2030年度に店舗オペレーションを30%削減することを目指している。また、2028年度に本部・店舗システムを刷新。50年積み上げたさまざまな業務をデジタル・テクノロジー化することを目指す。
Pontaパスは2,000万会員を目指す
ローソンで「povo」のギガを無料で付与へ
2019年のKDDIとロイヤリティ マーケティング(LM)による資本業務提携以降、LMが展開する共通ポイント「Ponta」のネットワークによるPonta経済圏の拡大・活性化に向け連携を行ってきた。KDDIは2024年10月2日、クーポンやコンテンツのセットサービス「auスマートパスプレミアム」を「Pontaパス」へリニューアル。竹増氏も「皆様方にとっても行動しやすい身近なお名前になったと思っています」と話す。魅力的な商品をPontaパスに絡めて紹介していく。
Pontaパスでは、ローソンで毎週使用でき月額総額600円以上お得になる無料・割引クーポン「ウィークリーLAWSON」や、ローソンでau PAYを利用してお支払いするとPontaポイント還元率が通常(0.5%)の最大4倍(2%)になる「Pontaパス ブースト」など、ローソンでのお買い物がさらにお得になる特典を追加。「auスマートパス」として現在提供している特典とあわせて、毎月合計3,000円以上のお得になる特典が利用できる。
2024年10月2日から11月30日まで、Pontaパスの提供開始を記念したキャンペーン「あげすぎチャレンジ 第1弾」を実施。期間中はPontaパス会員限定で、ローソンで人気の「からあげクン」が無料でもらえるクーポンなど、通常の「ウィークリーLAWSON」に追加で各月3枚以上のクーポンが受け取れる。あわせて、ローソンでau PAYを利用したお支払い時のポイント還元率が、通常の最大10倍(5%)に上乗せされるそうだ。
KDDI 代表取締役社長 CEO 高橋誠氏は、Ponta経済圏のさらなる拡大に力を入れる方針を明かした。ポイント循環による経済圏拡大により、現在1,500万人いる会員を2,000万人まで増やしていきたいとした。
なお、10月2日~11月30日まで、都内にPontaパスがリアルに体験できるポップアップストア「PontaパスStation」を期間限定で開設する予定だ。
また、品ぞろえや在庫量のさらなる充実、自動配送やドローン配送など立地を超えるデリバリー、デジタルを活用した暮らしのよろず相談なども行う。
さらに、「コンビニでギガが回復する新体験」(髙橋氏)として、KDDIの格安スマホプラン「povo」のギガを無料で付与するサービスをローソンで構築する。KDDIはローソン来店客に対して、1回あたり100MBをチャージする「povo Data Oasis」を2024年内に開始する予定だ。その際の買い物は不要だが、クーポンなどを提供することで、購買を促す取り組みも行う。
現在、「povo Data Oasis」のサービスは準備中だが、データは24時間利用できることを想定している。サブ回線として主回線にトラブルがあった際、上限に達した時のバックアップ回線としても活用可能だ。月最大10回、1GBまで回復できる。
さらに、ギガチャージ専用eSIMに関しても全国のローソンで展開するそうだ。
KDDIは2025年春をめどに本社を「TAKANAWA GATEWAY CITY」に移転予定だが、Real×Tech LAWSONの一号店として、高輪ゲートシティ店を来春オープン予定だ。
また、2030年をめどにReal×Tech Convenienceを実現した街づくり「ハッピーローソンタウン」を実現させる方針だという。竹増氏は「血縁を超えた老若男女が楽しくリアルで出会って過ごし、それをテクノロジーで便利につないでサービス展開していきます」と話す。ローソンでは、地域社会の声を聞き入れ、便利な切り口でサービスを続けてきたが、街のインフラとして、日本社会が抱える少子高齢化、医療、介護、SDGsといった課題解決に「ハッピーローソンタウン」で挑みたいとした。すでに同構想を実現する具体的な街も見えてきているそうだ。
AIスマホレジの認証方式や決済手段は?
AIレコメンドでOne to Oneの購入促進
記者説明会後は、「AIスマホレジ」やデジタルサイネージによる「AIレコメンド」の取り組みを紹介した。
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