2024年10月15日8:30
オリエントコーポレーション(オリコ)は、「Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD」や「Orico Card THE GOLD PRIME」、「The Gold」などのゴールドカード、「Orico Card THE PLATINUM」といったプラチナカードを発行している。オリコでは稼働率の高いゴールド以上のカード会員獲得を古くから展開してきたが、魅力的な優待サービスを付加した新カードの発行の検討を進めている。
池谷貴
幅広い層がゴールド、プラチナ保有
若い世代の会員獲得を継続して強化
現在、オリコのゴールド以上の会員は20代などの若い層からビジネス層、女性までさまざまなカードを発行しているため、「ゴールド、プラチナだから年齢層がアクティブシニアに偏っている印象はありません」とカード・ペイメント部門 カードプロダクト開発部長 橋詰直毅氏は話す。オリコでは、古くからクレジットカードを発行しているため、「カード会員の平均年齢が流通系カード会社などと比較すると高まっていると認識しており、それに準じた年齢層が保有しています」と橋詰氏は説明する。
オリコでは、 年会費1,986円(税込) で持てる「Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD」「 Premium Gold」や、年会費1万1,000円(税込)の「Orico Card THE GOLD PRIME」「The GOLD」までゴールドカードを幅広く発行している。ゴールドカードは複数のラインナップを展開しているが、一律に推奨している。また、プラチナカードとして年会費は2万370円(税込)の「Orico Card THE PLATINUM」を発行している。
一般からゴールドにステップアップすると利用率や決済単価、月の平均利用金額は引き上がる。オリコのゴールド以上のカードは、単月で6割、年で9割以上の稼働があるそうだ。また、年会費がかかるため、その収益を期待できる。会員獲得は1,100万人のオリコ会員に対してインビテーションを送っているが主に「Orico Card THE GOLD PRIME」「Orico Card THE PLATINUM」を案内している。
利用者が若年層から持つカードはライフタイムバリュー(LTV)の最大化につながる。橋詰氏は「大学生の時にネットショッピングや海外に行くために最初にお持ちいただいたカードを使っていただいている方も多く、若い時にお申込みいただくと、それ以降も継続してお付き合いいただけます」と説明する。そのため、若い世代の会員獲得を継続して行っている。
なお、ゴールド以上に限った話ではないが、オリコはクレジットカード会社としていち早く「認定包括信用購入あっせん業者」の認定を取得し、独自の与信審査を開始しており、柔軟な与信枠を設けることで利用金額を高めることに成功している。
ゴールド以上はQUICPayの利用が多い
ポイントの還元率の高さで差別化
また、オリコでは非接触サービスの推進に古くから力を入れてきたが、「ゴールド以上のお客様のQUICPay(クイックペイ)の利用が非常に多いです」と橋詰氏は述べる。その理由として、デジタル決済に対してのリテラシーの高い人が利用しているからだとした。
昨今のカード業界全体の傾向として、年会費無料、もしくは特定条件で無料になるゴールドが登場するなど、プレミアムカードを持つハードルは以前より低くなっている。同社では20代限定のゴールドカードを古くから発行しており、稼働も高かった。一方で、ゴールドカードの大衆化が進む中、他社との差別化は難しくなっている部分もある。
そんな中、「Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD」などはポイントの還元率の高さで差別化が図れているという。「弊社は一部のカードにポイントのステージ制を設けており、ゴールドは年間利用金額によってポイントの倍率がアップする『クラステージ』により最大2.5倍 のポイントが得られます。ゴールドならではの顧客体験価値というサービスを探求しているよりは、ポイントで選んでいただいています。能動的に利用する前提でご入会いただいている方が多いため、カードの継続率は高いです」(橋詰氏)。ベースとしてポイントが高くなるカードを発行している点が会員獲得や継続利用に結び付いている。
一方で、「視覚的にプロモーションを打っているわけではありませんので、伸長率は費用を投下すれば見込めますが、そこには至っていません」と橋詰氏は打ち明ける。ポイント還元のベースは高いと自負しているものの、現状、他社と比較してゴールドに特化したプロモーションは行っていない。
また、通信や鉄道、スーパーなどの特徴のあるゴールドカードは自社の特徴を付加できるが、主要なカード会社も差別化した商品を提供できていない状況は変わらないとみている。例えば、プレミアムカードの優待として空港ラウンジは人気だが、「10%オフ優待、レストランで2名のうち1名が無料になるサービスなどはあまり使われていません」と橋詰氏は分析する。
他社と差別化可能なプレミアムカード開発着手
特別な体験価値を提供できるカードを検討
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