2011年6月21日6:30
日刊工業新聞社は、2011年6月15日~6月17日の3日間、東京・有明の東京ビッグサイトにおいて、スマートコミュニティ実現に向けた展示会「スマートグリッド展2011」(共催:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)、次世代の自動車製造にかかわる展示会「次世代自動車産業展2011」(共催:早大モビリティ研究会)を同時開催した。会場にはICカードで決済や会員認証を行える急速充電器も登場した。
日立製作所は電気自動車用急速充電器と「FeliCa」などによる会員認証などを行うことができる新製品の充電サービスコントローラーを組み合わせたシステムを展示した。同社の電気自動車用急速充電器は、スタンド型で省スペース設置に対応AECが沖縄県で推進する急速・中速充電器整備計画で採用されている。
充電サービスコントローラーによるデモでは、利用者はICカードをかざして認証を開始。FeliCaの会員カード、クレジットカード、現金から支払方法を選択後、電気自動車に充電を行う。また、会員に対しては、無料クーポンなどの配布も可能だ。
NTTファシリティーズは、2011年4月から販売を開始した、「通信ネットワーク対応型電気自動車用急速充電器」を展示した。同製品の充電設備の認証にはFeliCaに対応したカードリーダを使用し、利用者認証機能や決済機能を提供する。すでに「スマートネットワークプロジェクト(SNP)」実証実験向けに、みなとみらい21地区に設置された。
トヨタ自動車は、EV/PHV向けに充電スタンド「G-Station(ジーステーション)」を展示した。G-StationはEV/PHV向けの200V充電スタンド。FeliCaでの認証機能に加え、通信機能に対応しており、インターネットを介してマイクロソフトコーポレーションと共同で発表したグローバルクラウドプラットフォームを活用した「トヨタスマートセンター」に接続できるのが特徴となっている。また、G-Stationの位置や空き状況をスマートフォンや携帯電話を通じて確認することができる。設置者は、利用者ごとの使用履歴の確認や、使用回数や時間に応じた課金、ポイント供与などを行うことができるほか、G-Stationの稼動状態を遠隔からモニターすることも可能だ。価格は、タイプAが本体価格28万円(税別)、タイプBは本体価格44万8,000円(税別)。タイプAはインターネットに接続できる充電スタンドとしては業界最廉価になる。