2025年2月7日8:36
TOPPANデジタルは、自治体などが発行する地域通貨やプレミアム商品券を運用する、自治体キャッシュレス決済プラットフォーム「地域Pay」を、2019年5月より提供しているが、2025年2月6日から新機能として、ふるさと納税の返礼品でデジタル商品券を提供できる「地域Pay forふるさと納税」を全国の自治体に向けて提供開始した。提供したデジタル商品券は各自治体が指定する店舗での買い物に利用でき、電子マネーとして、事前登録された総務省認可済みの地場産品の購入が可能だ。
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同サービスの提供により、紙の商品券と比較して自治体が郵送などの経費を抑えることができるほか、寄付者が寄付先の自治体を訪れる機会になるなど、各自治体の活性化を支援するという。
ふるさと納税の受け入れ額は年々増しており、2022年度の実績は全国で約9,654億円と過去最大になっている。しかし、ふるさと納税の返礼品には「返礼品の調達費用は寄付額の3割以下」「返礼品の調達費用や送料を含む経費総額は寄付額の5割以下」などのさまざまな制限が設けられており、自治体はこれら制限の範囲内で他自治体との差別化を図り、魅力的な返礼品を用意することが求められている。加えてポータルサイトの利用や返礼品の配送などの関連コストが増加傾向にあり、ふるさと納税の拡充にあたり自治体の負担が大きくなっているのが現状だ。
この課題に対し、TOPPANデジタルは、以前から提供しているキャッシュレス決済プラットフォーム「地域Pay」をもとに、ふるさと納税の返礼品としてデジタル商品券を活用し、寄付者が指定店舗での買い物に利用できるサービス「地域Pay forふるさと納税」を開始する。これにより、自治体が在庫管理や配送関連のコストを抑えながら、地場産品を寄付者の手元に届けることができるという。
具体的な特徴として、自治体側は、ふるさと納税の返礼品としてデジタル商品券を提供する。寄付者側は、自治体が指定する店舗において、事前に登録された商品の購入を行う際、貰ったデジタル商品券を電子マネーとして使用することができる。
また、ふるさと納税にて寄付を行った寄付者は、指定店舗の店頭において、事前登録された商品に貼付された商品バーコード(JANコード)をスマートフォンなどのカメラで読み込むことで、購入できる商品を識別することができる。その際、アプリのダウンロードは不要でWEBブラウザで対応可能だ。ふるさと納税の返礼品には「区域内において生産された物品」と定められており、総務省認可済みの地場産品が、読み取り可能商品として事前に登録されている。
各自治体のニーズに合わせ、店舗・時期・利用券種ごとに購入可能商品の設定が可能だ。これにより、商品券の種類や期間、利用店舗によって購入可能な商品を変更するなど、さまざまなキャンペーンでの運用が可能だという。
なお、初期費用は80万円からとなり、別途、納税額に応じた従量費がかかる(商品券発行費用は別途見積)。
TOPPANデジタルは各自治体に対する本サービスの提供を進め、2025年度までに30の自治体への導入を目指す。今後も「地域Pay」の機能を拡張していき、2026年度までに全国すべての自治体の10%に当たる170の自治体への導入を目指す。