2025年2月27日7:05
欧州のスマートカード(ICカード)と環境問題の第4回目は、SPAの環境問題に配慮した素材や製造プロセスを採用したエコフレンドリーペイメントカード(Eco Friendly Payment Card)の発行状況を紹介してみたい。
Index
(1)Smart Payment Association (SPA、スマートペイメント協会)
(2)スマートカードとモジュールの出荷状況について
(3)エコフレンドリーカードとは
(4)SPAのエコフレンドリーペイメントカード発行状況
(5)スマートカードとリサイクル
世界中での出荷ユニット数とシェア
2023年度におけるSPAのICカード製造のメンバー企業による環境に優しいエコフレンドリーペイメントカードの世界中での出荷ユニット数は、(表)のように総数6億7,000万で 、すでに全体の21% のシェアを占めている。3年前の2020年度におけるエコフレンドリーペイメントカードの発行ユニット数はわずか3,100万枚で、そのシェア2%にとどまっていた。2022年度には3億6,000万枚、2023年度は6億7,000万枚へと2020年度比でおよそ20倍に拡大し、エコフレンドリーペイメントカードが占めるシェアもおよそ10倍以上の21%となっている。こうしたエコフレンドリーペイメントカードの急速な拡大は、欧米のカード発行銀行(イシュアーバンク)などがクレッジットカードやデビットカードといった自らが発行するペイメントカードの素材の PVC(ポリ塩化ビニル)からエコ素材へ移行するペースの速さと規模の拡大を鮮明にしている。
(表)SPAのエコフレンドリーペイメントカード出荷ユニット数とシェアの推移(2020年度~2023年度)
年度 |
2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
2023年度 |
発行ユニット数 |
約3,100万 |
約1億 |
約3億6,000万 |
約6億7,000万 |
シェア |
約2% |
約4% |
約14% |
約21% |
出典:Smart Payment Association (SPA)の年次レビュー
これらのSPAのメンバー企業が製造するエコフレンドリーペイメントカードの出荷先は、(表)のようにはヨーロッパ市場向けがおよそ50%で、ヨーロッパ市場がエコフレンドリーペイメントカードへの移行においてリーダーシップを発揮していることを示している。一方、北米、中米、南米のアメリカ大陸向けが40%を占めているものの、アジア・オセアニア、アフリカ・中東向けは10%にとどまっている。
(表)SPAのエコフレンドリーペイメントカードの出荷ユニットに対するエリア別のシェア(2023年度)
ヨーロッパ |
50% |
アメリカ |
40% |
その他 |
10% |
出典:2023年のSmart Payment Association (SPA) の年次レビュー
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