2025年5月16日8:20
クレディセゾンは、2025年5月15日に2025年3月期決算会見説明会を開催した。グローバル事業は7カ国で事業を展開しているが、グローバルな金融事業プレーヤーとして“セゾン”が認知されてきているという。また、ペイメント事業は、プレミアム戦略が着実に形となって表れているという。
インドの成功モデルを横展開
ペイメント事業とファイナンス事業融合
クレディセゾンの2024年度の実績として、連結事業利益は過去最高益を更新した。グローバル・ファイナンス・ペイメントの主力3セグメントが全体を牽引した。特別引当金取崩しの特殊要因が事業利益の押し上げに寄与しているものの、特殊要因除きの事業利益ベースで過去最高益を更新した。中計最終年度の26年度とその先も見据えた“持続的な成長力”を高めていくという。
FY24の期末配当金は1株当たり120円(期初予想+15円)とする予定だ。また、25年度の配当予想は5年連続増配となる1株あたり130円としている。
グローバル事業は、中期経営企画で成長エンジンとして位置付けている。特にインドの主力のレンディング事業は着実に伸長している。一方、事業利益においては各国の規制やマーケット環境を踏まえた貸倒引当金の積み増しやインベストメント事業の出資先の評価損などにより33億円で着地した。2025年度に関しては、「インド、ブラジル、メキシコの3つの国が非常に力強く成長できると考えています」とクレディセゾン 代表取締役(兼)社長執行役員 COO 水野 克己氏は話す。
インドのCredit Saison Indiaの債権残高は、ダイレクトレンディングを中心にリスクコントロールを重視した戦略を取りつつ着実に積みあがっている。2025年度に関しても与信の精度向上を継続しつつ、ダイレクトレンディングの牽引による事業拡大を目指す。ブランチレンディングに関しても23年度の45から、24年度は62となり、26年度には150を目指す。エンベデッドファイナンスに関してはアクティブパートナーが23年度の9から、24年度は12となり、26年度は15と提携先を拡大する予定。
資金調達の多様化については、国内外のトップ銀行を含む40の金融機関等からの借入や社債・コマーシャルペーパーの発行に加え、今年3月には新たにECBローンによる借入を開始した。先日はみずほ銀行から1.5億米ドルの借入も発表している。
ブラジルのCredit Saison Brazilは、インドの展開を踏襲することで、「第二のインドを目指しています」と水野氏は話す。現地のフィンテック事業者との提携を通じたBtoBtoCモデルのレンディングを展開しており、対象領域を拡大し着実に残高を伸長させている。
また、ベトナムHD Saisonに関しては、新規融資が着実に拡大し、債権残高、貢献利益ともに増加しているという。 引き続き安定的な利益貢献を図るとともに、クレジット カード事業の拡大による事業進化を目指す。今後は、二輪ローン、家電ローン、キャッシュローンに加え、クレジットカードの取り扱いをさらに伸ばしていきたいとした。
国内事業は、クレディセゾンは不動産ファイナンス関連商品の拡充や、金利上昇に伴い変動金利商品の収益が拡大した。また、セゾンファンデックス、スルガ銀行の利益貢もあり、これらの結果、386億円で着地した。2025年は360億円の収益貢献を計画している。
新たな取り組みとして、カード会員を対象とした不動産ST(セキュリティトークン)をリリース。少額から始められる新しい不動産投資機会提供により、投資に興味を持つ幅広いお客様の資産形成をサポートしている。
「今後は、セキュリティトークンをうまく活用しながら、ペイメント事業とファイナンス事業の融合を目指していきたいと思っています」(水野氏)
ペイメント事業は、プレミアム戦略の加速と構造改革によるコスト削減を目指している。24年度は、他社のポイント戦略、割引戦略とは一線を画す形で、プレミアム戦略の加速と構造改革を進めてきた。その結果、リボ手数料率の引き上げや特別引当金取崩しの 特殊要因も増益に寄与し303億円で着地している。25年度もプレミアム戦略を主軸に、持続的成長力と収益性向上に向けた取り組みの推進を行う。また、DX・AIを活用した構造改革の継続推進を目指す。
プレミアム戦略の収益拡大策、年会費改定の影響
経済圏提携拡大の中、セゾンのスタンスは?
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