2023年3月23日21:00
一般社団法人オンライン型ファクタリング協会(OFA) は2023年3月22日、記者会見を開き、自主ガイドラインを策定したと発表した。具体的なガイドラインの全文は、3月中に公式サイトで公開する予定。ファクタリングサービスの利用者が、安心して利用できる環境を整備するため、事業者がサービス運営にあたって注意すべき点などをまとめた。これにより、オンライン・オフフラインの事業者を問わず、広く業界の統一的な自主ルールとして普及を行い、業界の自主的な健全化に向け取り組む方針だ。
ファクタリング事業者向け説明会などで周知を図る
OFAでは3月24日、ファクタリング事業者向けガイドライン説明会を開くほか、3月27日にはフィンテック協会と共催で分科会を開き、公式サイトでガイドラインを一般に公開した後、4月をめどに公式サイトで会員企業の募集を開始し、入会審査後、公式サイトで会員企業についての情報を公開する。
ファクタリングは、事業者が保有する売掛債権を使った資金調達手段の一つ。ファクタリング市場は、業法がないこともあり、サービス提供業者の参入が比較的容易であることから、法外な手数料を要求するなど、闇金紛いの業者が存在しているという。OFA代表理事の家田明マネーフォワードケッサイ取締役会長は「OFAの理事企業7社はフィンテック企業などで構成されています。業界団体として主として中小企業者が安心して資金調達できる環境を整備し、ファクタリング市場の健全な発展のため自主ガイドラインを策定しました」と挨拶した。
OFAは、2020年3月にファクタリング市場の健全な発展のための協働を行うための任意団体として活動を開始した。OFAには、H.I.F.、OLTA、GMOクリエイターズネットワーク、GMOペイメントゲートウェイ、ペイトナー、マネーフォワードケッサイ、ラボルが参画している。2022年10月に一般社団法人化した後、同11月に東京都産業労働局の補助事業の対象団体として選定された。補助最終月となる2023年3月に自主ガイドラインを策定した。策定にあたっては、東京都、金融庁、中小企業庁など関係団体と意見を交換した。
ガイドラインは法律による規制ではなく、業界の自主的な取り組みを前提にしている。金融法制に詳しい法律専門家と協力して策定した。代表理事の武田修一OLTA取締役副社長兼CSOは「OFA会員であることは、ルールを守っている事業者であり、安心であるという位置付けにしたいと考えています。したがって、運営に問題ある事業者は改善を行わないと入会・継続できないようにします」と話す。
また、オンライン型事業者によって発足したOFAだが、環境整備にあたってオフライン事業者を排除しない方針。さらに、新規参入や新しいサービス登場の余地をしっかり残し、ルール自体を既存事業者の既得権益化させないように配慮している。今回のガイドラインはバージョン1で、今後も時代に合わせ、内容を見直していく方針だ。
「総則」と「細則」で構成、
対象は中小企業・個人事業者向け
「OFAファクタリング自主ガイドライン」は「総則」と「細則」から構成されており、「総則」で概要やポリシーについてまとめ、「細則」で具体例などの詳細を説明するという位置づけだ。具体的な章については、第1章は「定義」、第2章は「入会」、第3章は「業務」、第4章は「禁止行為」、第5章は「情報提供」、第6章は「雑則」となっている。対象は「中小企業・個人事業主向け」「買取(保証は対象外)」「2者間および3者間」のファクタリングと定めた。
また、入会にあたり、運営会社自体の役員・株主はもとより資金源の確認など暴排観点でのスクリーニングはしっかりと実施するとしている。管理システムや回収実務の委託先についても、適切な管理・運用を会員に求めることとし、丸投げによる責任回避を防ぐ。手数料については、利用者の事業を考慮し、適切な水準の設定に努めることとし、契約前の顧客への説明義務と併せて運用する。
第4章の禁止行為については、第13条で広告などでの不実行為の禁止しており、第14条の顧客対応では、その他の不実行為の禁止、第15条の所属の表記では「○○省推奨」などと謳わないことを定めた。第16条の回収行為では、威迫行為や生活・業務の平穏を害さないこと、第17条で偽装ファクタリングの禁止を規定した。
勉強会や苦情窓口も
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