2025年12月10日8:30
多様なデータをダッシュボードで可視化
AIが次なる一手をレコメンド
Adyen Upliftの画面はダッシュボードになっておりまして、上からオーソリ、不正、そしてコストのダッシュボードが加盟店ごとにつくられるようになっています。Adyen Uplift、つまりAI、マシンラーニングを使った結果、このような数値になっていて、もし使っていなければこうなっていたというようなことが、ダッシュボードによって一目瞭然に確認できます。さらにはたとえば「この決済手段を導入すればこれだけ収益が向上します」といったことが示されます。
不正ツールのテストもできるようになっておりまして、「これをやってみてください」という推奨ボタンを押しますとテストが始まります。取引の20%、5%だけ、あるいは1カ月だけ試してみるといったこともできます。最終的に全件やりたいということになれば、そのままリリースされるという仕組みになっています。テストをするためにわざわざベンダーを呼んで設計から始めるという手間は不要です。また、セキュリティに関しても、「こういうパラメーターを入れてください」「こういった対策をとってください」といったレコメンドがあります。
実際、本番環境でパイロット加盟店においてAdyen Upliftを稼働した結果、決済成功率が従来よりも最大6%向上し、不正率に変化はありませんでした。決済に関するすべての機能をワンプラットフォームで提供できるAdyenのAdyen Upliftだからこそ、この結果が出せたと、われわれは自負しております。このような技術をベースに、日本の決済業界の特徴やルールも踏まえて、日本の加盟店にも安心・安全・簡単な決済を提供していきたいと考えています。
進むトークン決済の広がり
Apple PayはPCでも利用が可能に
先ほど、データの力、プロダクトの力という話をさせていただきましたが、プロダクトの力についてご説明させていただきたいと思います。トークン決済についてです。
トークン決済はご存じの通り、加盟店ごと、デバイスごとに国際ブランドが付与する疑似カード番号を使った決済です。その加盟店以外、特定のデバイス以外からは利用できない仕組みのため、高い信頼性があります。また、トークン番号は、常に最新のカード情報と紐づけられていますので、有効期限エラーが大きく減少するという特徴があります。
トークン決済にはいくつか種類があり、Apple PayやGoogle Payなどのウォレット決済もそのひとつです。Apple Payは日本に上陸してから10年になり、スマホで決済するのは当たり前の光景になりました。生体認証は3DSと同等の本人認証の信頼性があると認定されており、国際ブランドのルールではライアビリティシフトが発生しますし、日本のルールでも3DSをスキップできると定められています。非対面のApple Pay、Google Payは日本ではまだ一般的には使われていませんが、グローバルでは利用が進んでいます。使い方も簡単です。
2024年にAppleから発表されたのですが、Apple PayはWindows PCでも利用できるようになりました。これは非常に画期的なことです。40歳以上の方は、スマホでなくPCで買い物をしたいというニーズが高いのではないかと思います。WindowsでApple Payが使える。セキュリティも高く、ライアビリティシフトも適用されるとなれば、利用が大きく広がっていくと考えられます。
Apple Payの弱点はリカーリングでした。Apple Payはデバイスを変えると、安全性の観点でデバイスに紐づいたトークンが切れてしまう仕組みです。Apple Payの本人認証の強さ、有効性を生かしたまま、リカーリングにも対応できるようにと、Appleが国際ブランドとともにつくり上げた仕組みが、Apple Merchant PANです。初回の情報登録の際にはApple Payの持つ強力な本人認証を行い、その後は、デバイスを変えても、継続して使い勝手良く利用できるというものです。
AdyenはAppleとグローバルでストラテジックパートナーシップを結んでおりまして、このような新しい技術をどんどん導入しています。Appleによりますと、ほとんどのイシュアが対応しているということで、日本でも今後広げていきたいということです。最初の決済は厳格に行い、2回目以降はより簡単に利用できるということで、サブスク系の事業者が使いやすい決済サービスではないかと考えています。
3DSの要否が決済成功率の分かれ目に
承認率でも秀でるウォレット決済
もうひとつ、ネットワークトークンのお話をさせていただきたいと思います。サブスク、Card on File用のトークン決済であり、Visa、Mastercard、AMEX、JCBに対応しています。JCBについてはグローバルでもAdyenだけが対応しております。とはいえAdyenは国際ブランドの言いなりになっているわけではありません。国際ブランド各社は口々に高い承認率を維持していると言うのですが、イシュアによって差があるのが実情です。AdyenにはBINごとの承認率によって、ネットワークトークンに流すものと、普通のPANを使うものとを振り分ける機能を組み込んでいます。
Click to Pay(クリック決済)は、カード番号の入力不要で決済ができる仕組みです。Click to Payのボタンを押すと、登録済みのカードのリストが、使用頻度の高い順に並んで表示されます。逐一カード情報を入力する必要がないので非常に便利です。AdyenはVisa、Mastercardにグローバルで対応済みです。先ほども申し上げましたが、今すぐ導入したいという加盟店には即時に対応が可能です。
Apple Pay、Google Payなどのウォレット決済、ネットワークトークン、Click to Payを比較してみますと、その利便性は、3DS2の要否が大きなポイントになるのではないかと思います。チャレンジ認証のフリクションは下がっているとはいえ、やはりカゴ落ちの要因になります。Appleはイシュアとよく話をされて高いセキュリティを維持しながら、3DSを不要としているところが非常に魅力的だと感じます。ネットワークトークン、Click to Payは国際ブランドの立場から初回の3DS2を必須としているところが、Appleとの大きな違いです。
承認率は皆様が最も関心のあるところだと思います。弊社のデータによりますと、Apple Pay、Google Payが非常に高い承認率を維持しています。決済の都度カード情報を入力するスタンダードカード、ネットワークトークンと比べると、頭一つ抜けているのがApple Pay、Google Payです。もし皆様がAdyenを導入される際には、Apple Pay、Google Payに対応していただくとよいと思います。ただ、お客様全員がApple Pay、Google Payを使っているわけではないので、全体的なバランスを考えることも大切で、それができるところもわれわれAdyenの強みであると思っております。
本日の私の話をまとめさせていただきますと、決済成功率と不正防止は対立概念ではなく、両立すべきものです。バランスのとれた対策を実施することで、ビジネスの長期的な成長と顧客との信頼関係の構築が期待できます。AdyenはAIやマシンラーニング、最新プロダクトを駆使して、加盟店のビジネス拡大を支援します。
ご清聴ありがとうございました。
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