2026年3月4日9:00
三井住友カードが提供する「stera transit(ステラ トランジット)」が、関西空港交通、阪急観光バス、阪神バス、近鉄バス、奈良交通の空港発着バス全5社に2026年3月1日から一斉導入された。これにより、関西空港発着の約7割となる約260台のバスでタッチ決済が可能となった。同社ではそれを記念し、2026年2月27日に、ホテル日航関西空港にてセレモニーを開催した。大阪・関西万博の開催により、関西国際空港を起点とした人流のさらなる増加が見込まれる中、空港リムジンバスにおけるタッチ決済乗車サービスの導入背景や狙いを、サービスの概要とあわせて紹介した。

リムジンバスのキャッシュレス比率は5割 3年後、キャッシュレス比率8割を目指す
まずは、関西国際空港におけるタッチ決済乗車サービス導入の目的・期待について、関西空港交通 取締役社長 河合 潤二氏が挨拶した。 現在の関西国際空港は東アジアをはじめ、世界中から多くの人が訪れ、ビジネス、観光など多様な目的で利用されている。昨年に 2025年関空を発着するリムジンバスは、年間約 500 万人が利用している。その中で、海外からの観光客増加に伴い、日本到着後の移動に求められる“早く、迷わず、手軽に”というニーズは日々高まっている。 特にチケット購入時の券売機の操作や言葉、通貨の違いによる戸惑いが、混雑による空港内の統制にも影響する場面があるとした。河合氏は「こうした環境変化に応えるため、クレジットカードによるタッチ決済の導入が重要であると判断しましたが、その導入には大きく 3つの狙いがある。
1つ目は、スムーズな移動体験の提供だ。クレジットカード世界で普及した決済手段をそのまま活用し、外国人などが関空到着の直後から迷わない移動を実現できる。券売機の操作や日本円の準備といった手間不満が解消され、日本到着後の最初のストレスを大幅に低減することにつながるという。
2つ目の狙いは、現場スタッフの負担軽減とバスの運行安定化だ。 チケット購入時のサポートが減る分、他の困り事を持つ人にスタッフが今よりも寄り添った対応ができるようになると考えた。その結果としまして、バスの定刻発車の確保、空港内の人流改善にも貢献できると期待している。さらに、券売機の使用が減ることで、券売機内の金銭の回収、売上確認等の業務軽減にもつながる。
3つ目は、空港アクセスとしての価値向上だ。乗り換え不要で目的地へ直行できるリムジンバスの利便性に、直感的で迷わない決済手段が加わることで、空港アクセスとしての使いやすさをさらに向上できる。現在、関西空港におけるリムジンバスのキャッシュレス比率はキャッシュレスの対応している券売機、 IC カードの利用を含め、約50%となる。河合氏は「今回の導入を契機に、政府が示したキャッシュレス比率80%という水準を、今後3年以内に達成することを目標としております」と意欲を示す。現状、社内の決済はICカードを中心に行っているが、一けたにとどまっているが、チャージせずに利用できるタッチ決済によって利便性が高まる。
空港アクセスの未来を形作る重要な基盤に 運航計画策定に貢献も
以前、クレジットカードのタッチ決済のイメージとして、 IC カードと比べて処理スピードが劣るというイメージがあった。近年はその性能は格段に進化しており、今回のサービス導入を決断する一因となったそうだ。
「今回の導入は単なる決済手段の多様化にとどまらず、空港アクセスの未来を形作る重要な基盤になり得ると考えております」(河合氏) 。今回のサービスで蓄積される決済データでは、どの時間帯に、どの行き先のバスに、どれだけの利用があるのか、また季節やイベントによる利用者数の変動をより正確に把握でき、今後の運行計画の策定などに役立てられるとした。
阪急観光バスは6割がキャッシュレス利用 券売機撤去につなげる期待も
続いて、大阪(伊丹)空港におけるタッチ決済乗車サービス導入の目的・期待について、阪急観光バス 常務取締役経営企画部長林忠広様氏が挨拶した。阪急観光バスは、社名にある観光バス事業も行っているが、主に大阪・伊丹空港発着を中心とするリムジンバスを運行している。大阪伊丹空港は、国内線中心であり、利用の多くが国内旅行、また国内ビジネスを中心とする人だ。そのため、大阪伊丹空港線では以前より交通系ICカード、PiTaPa、ICOCAなどを導入しており、6割を超える人が車内でのキャッシュレス決済を利用している。
一方で、交通系ICカードを保持していない人も一定数いる。また、運賃が鉄道などと比べて高いため、チャージ残高不足になるケースもあったという。その際は券売機で購入してもらうといったことがあったが、タッチ決済の導入により、そうした課題を解決できるとした。林氏は「関西圏での移動がさらにスムーズになると考えております」と期待する。事業者にとっても券売機運用のコスト、老朽化時の更新コストがかかるが、「今後、車内でのキャッシュレス比率が高まる中、券売機の台数縮減、また将来的には券売機すべて撤去というようなことを妄想しております」と話す。 今回の導入では、国土交通省の補助金を活用したそうだ。

日本の交通課題・キャッシュレス化への期待 国際的な競争力の強化にも直結
日本の交通課題・キャッシュレス化への期待に関しては、近畿運輸局自動車交通部長 西野光氏が挨拶した。
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