2011年11月14日7:30
日本金融通信社は、2011年10月19日・20日の2日間、東京国際フォーラムにて「FIT2011」を開催した。同展示会は国内最大の「金融機関のためのITフェア」となっており、100社を超える企業が展示を行った。
NECはIC運転免許証と健康保険証を活用した本人確認パッケージを展示した。PCにパッケージ内の専用アプリケーションソフトをインストールし、同ソフトからIC運転免許証のICチップの中身を表示し、データの出力や印刷を行う。利用者はスキャナにIC運転免許証を置き、スキャニング暗証番号を入力するとICチップの中身を表示し、自動的に真贋判定を行う。同ソリューションは、照合精度や速度で世界トップクラスのNECの顔写真照合技術を利用している。
パナソニックシステムネットワークスは、IC運転免許証やパスポートなどの偽変造のチェックを支援する本人確認マルチリーダを参考出展した。ISO/IEC 14443 TypeA/Bに対応しており、高解像度のCMOSカメラ搭載による高速スキャンが可能となっている。
大日本印刷は、microSD型のICカード(TinySmart)を利用したAndroid端末コンテンツ保護システムを紹介した。TinySmartは、Flashメモリに暗号化された業務文書データ、セキュアチップに認証用鍵、PIN、業務文書データなどの暗号鍵などを格納することが可能だ。セキュアチップを利用してPINにより利用者を特定するため、仮に暗号化データを不正にコピーされたとしても業務文書などを不正に閲覧される心配がないという。
また、デジタルサイネージとNFCスマートフォンを活用した金融機関の窓口誘導を誘導するソリューションのデモを実施した。同社のデジタルサイネージ端末「アクティビジョン・ミニ」を使用し、NFCケータイを端末にかざすと顧客の口座情報をサーバに送付し、予約の確認や属性情報に適した商品を配信する。また、金融機関の近隣店舗などの情報も紹介可能だ。大日本印刷では、これ以外にもICキャッシュカードの即時発行システムやIC運転免許証を利用した本人確認のソリューションなど、さまざまな製品・ソリューションをPRした。
ワコムは、NTTデータの「CAFIS伝票保管サービス」に採用されたサイン入力専用液晶ペンタブレットを展示した。売り上げ伝票を電子化し、タブレット端末などに表示することで、伝票の管理を簡素化することが可能だ。
ネットムーブは、数多くの銀行やクレジットカード会社で採用実績があるフィッシングなどの悪質なネット犯罪、不正行為などからWebサイトを守る「nProtect Netizen」、スマートフォンのRoot権限奪取の有無や悪性コードの動作などをチェックする「Secure Starter」といったセキュリティソリューションの展示を行った。
TISは、クレジットカードの基幹システム構築などで培ったノウハウを活用し、銀行などの金融機関が発行する国際ブランドデビットカード専用のプロセッシングシステム、業務オペレーション(BPO)などをワンストップで提供するソリューションを紹介した。ASP方式により、導入時の負荷を軽減できるという。
凸版印刷は、NFCスマートフォンをパンフレットやチラシにかざすと商品情報を閲覧できたり、屋外の広告にかざすとキャンペーン情報などを取得できる金融機関店舗内外でのコミュニケーションサービスを紹介した。また、タブレット端末を利用して商品・サービスの案内を紹介するデモを実施するなど、次世代の金融機関の窓口業務を提案した。
日本データカードは、ICキャッシュカードの集中発行や店舗即時発行などのソリューションを紹介した。全銀協標準仕様ICキャッシュカード発行システム「MX Smart Start」は、肥後銀行が2011年春から採用したという。
セイコープレシジョンは、カード決済業務で必要な対外接続機能を統合したオールインワンソフトウェア「SEGTRAN」を紹介した。SEGTRANは、CAFIS/CARDNETなどへの接続をサポートしており、運用ユーザ管理の強化、HSMを使用した取引ログの暗号化など、強固なセキュリティ対策を行えるのが特徴となっている。