金融IT展「FIT2018」開催、注目のQR/バーコード決済など最新のペイメントソリューション・製品も登場(日本金融通信社)

2018年10月31日8:40

日本金融通信社は、2018年10月25日と26日の2日間、「FIT(Financial Information Technology)2018(金融国際情報技術展)」を東京国際フォーラムで開催した。FITは、日本金融通信社の金融総合専門紙「ニッキン」が主催する国内最大の「金融機関のためのITフェア」だ。会場では、話題のQR/バーコード決済をはじめ、決済関連のサービスも展示された。

大日本印刷(DNP)は、駐車場や飲食店などに設置した自動精算機や券売機に搭載可能なマルチ決済端末を紹介した。同端末は、接触IC・非接触IC(TypeA/BやFeliCa)、磁気などに対応。国際ブランドの接触や磁気、EMVコンタクトレス、主要な電子マネーの支払いに対応可能だ。セキュリティ面では、ICクレジットカード読み取りに対応した決済端末およびPCI DSSに準拠した高セキュリティな決済をASPサービスで提供することで、クレジットカード情報を精算機や券売機に保持しないことも強みとなる。DNPでは、QRコード決済への対応も視野に入れている。

凸版印刷は、カラフルな基材を用いることでカード側面までカラー化し、高いデザイン性を可能にするクレジットカード「カラーコアカード」を展示した。一般的な白い基材のカードと一目で区別できるのが特徴で、赤、 青、 ピンク、 緑、 金、 銀の6色をラインナップしている。価格は、10万枚発注時で従来のカードに比べ1割増しの料金となる。

また、QRコード・バーコード決済サービスを小売店舗のPOSレジで同時に複数利用可能にする、 決済情報中継サービス「スイッチングゲートウェイ」も紹介した。

デジタルセキュリティベンダーのGemalto(ジェムアルト)は、暗号化、鍵管理ソリューションとして、HSM(Hardware Security Module)を軸に暗号化製品と組み合わせて提供している。また、ワンタイムパスワード製品、犯収法/アンチマネーロンダリング対応の本人確認ソリューションなどを紹介した。

セイコーインスツルは、コイニーの「Coiney」、ぐるなびの「ぐるなびPay」、ネットムーブの「SaAT ポケレジ」等に対応したモバイルプリンターの「MP-B20」「MP-B30」を展示した。

TISは、中国・上海訊聯数据服務有限公司(CardInfoLink)と提携し、日本や東南アジアにおけるQRコード決済事業、中国におけるカードプロセシング業務の2つの事業を共同で推進している。

また、三菱UFJ銀行と共同で取り組む 「トークンリクエスタ代行サービス」をPRした。三菱UFJ銀行は、 決済サービスをスマートフォン上で提供する「MUFG Wallet」を2019年春のサービス開始に向け検討を進めている。TISでは、「トークンリクエスタ代行サービス」として「WalletEVO」を提供。「WalletEVO」は、銀行やカード事業者などのトークンリクエスタに対して、各事業者が発行するスマホアプリに非接触の決済機能を組み込むことが可能だ。

セイコーソリューションズは、QRコード決済ソリューションおよび、QR認証ソリューションを参考出展した。QRコード決済ソリューションに関しては、各スイッチングセンターと金融機関センター、加盟店システムを接続し、決済インフラを構築するカード自動決済パッケージの「CAPS」を提供しているが、同パッケージに追加して提供する。CAPSでは、クレジットカード、銀聯、多通貨決済に対応しているが、対面でのAlipay決済などのQRコード決済をセンター間接続で提供するという。

QR認証ソリューションは、PCに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取ることにより、企業のサイトなどにログインできるもの。デジタル署名入りのQRコードで、アプリと認証局の相互認証を行うことでなりすましを防止する。

ネットムーブは、スマートフォンアプリのセキュリティのリスクを解析し、対応までをフォローする「SaATアプリ診断」、専門の知識がなくてもセキュリティ対策の実装が可能となるスマートフォンアプリ開発のSDK「SaAT Secure SDK」を紹介した。

テクノブレイブは、スリランカのFinTech企業であるEpic(Epic Technology Group)との連携による地域通貨ソリューションのデモを行った。Epicのモバイルウォレットは、高い技術力が売りとなる。QRコード決済に加え、NFCのコンタクトレスペイメントにも対応可能だ。

マネーツリーは、アカウントアグリゲーションの技術を提供する金融系APIである「MT LINK」を紹介。銀行口座、クレジットカード、ポイント・マイル、電子マネーの取引明細を取り込むことができる。

エムティーアイは、金融機関の更新系APIとの連携により、クレジットカード会社などの中間事業者を介さずに銀行口座とダイレクトに接続できる決済・送金手段「&Pay」を紹介した。常陽銀行の連携がスタートし、また、北洋銀行等と北海道札幌市内でキャッシュレス決済の実証実験を行う。

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