2012年3月13日8:00
「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」を発行
宿泊や施設利用でポイントが貯まり、電子マネーやルームキーとしても活用
藤田観光は、イオンおよびイオンクレジットサービスと提携し、2012年1月31日から、ホテル業界初となるイオンの電子マネー 「WAON(ワオン)」を搭載した会員カード「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」の発行を開始した。藤田観光では、同カードの発行により、会員サービスの充実を図るとともに、WAONによる電子マネーの決済やICチップを活用したルームキーなどの運用も行っている。
藤田観光
カードを利用するほど翌年のポイント加算がアップ
藤田観光ポイントをWAONポイントに交換可能
藤田観光は、東京・目白の「椿山荘」や、椿山荘内に建つ「フォーシーズンズホテル椿山荘 東京」、大阪の「太閤園」をはじめとする婚礼・宴会施設やラグジュアリーホテル、首都圏を中心として全国に展開するビジネスホテルチェーン「ワシントンホテル」、宿泊者専用ラウンジの設置や、宿泊者以外の客室フロアへの立ち入りを防ぐICカードによるセキュリティシステムを採用した「ホテルグレイスリー」、藤田観光発祥の地である「箱根ホテル小涌園」、同敷地内にある温泉テーマパーク「箱根小涌園ユネッサ ン」などを運営している。
同社が1月31日から発行を開始した「藤田観光グループ・メンバーズカードWAON」(発行手数料300円)は、ワシントンホテル、椿山荘、小涌園など全国の藤田観光グループのホテル・レストラン・宴会施設を利用した際に「藤田観光ポイント」が付くほか、年間利用金額に応じたポイントの付与率アップや家族・友人間でのポイント共有サービスの実施など、メンバー限定の特典を用意している。
これまで、藤田観光グループでは、「藤田観光グループ・メンバーズカード」、「ワシントンカード」、「クラスF」という3つの会員組織が並行して動いていたが、同カードの発行に伴い、藤田観光でのワシントンカードの取り扱い、ならびにキャッシュバックサービスは2012年2月末をもって終了となった。また、クラスFに会員登録していた人は、自動的に「藤田観光グループ・インターネット会員」に移行した。
「3つの会員組織を統合するなかで一番考えたのは“常に財布の中に入れていただけるカードである”ということです。今回、イオン様、イオンクレジットカード様との提携により、自社の会員組織を生かしながら、WAONの加盟店で便利に利用してもらうことが可能です。また、ICチップを活用した新しい取り組みを行うこともできます」(藤田観光 事業本部 販売促進部 販売促進部長 寺田幸男氏)
藤田観光では、新カードの発行に伴い、複数の共通ポイント事業者と条件面の交渉などを行った。他の共通ポイントの場合、顧客データは主宰企業が保持するため、会員のデータを活用した取り組みの実施に限りがあったが、イオン、イオンクレジットサービスと提携することにより、自社カードとして発行できるメリットがあった。また、貯めたポイントはWAONと等価交換が行えることも大きかった。
ポイント付与率は、100円で4ポイントを基本に設定。年間獲得基本ポイント数が4,000ポイント以上1万9,999ポイントの場合、翌年は100円で5ポイント、2万ポイント以上の場合は100円で6ポイントが貯まるなど、利用が多い会員を優遇するサービスとなっている。
会員は、2,000藤田観光ポイントを貯めると3,000円分の藤田観光グループ共通利用券に交換可能だ。また、500藤田観光ポイントを500WAONポイントに交換可能となっている。さらに、「藤田観光グループ・インターネット会員」は対象施設公式ホームページでのインターネット予約を行うと100円につき2ポイント貯まり、同ポイントは藤田観光グループ・メンバーズカードWAONポイントに移行することが可能だ。
料金の精算でWAON決済をスタート
ホテルグレイスリーでルームキーとして活用
また、全国約13万9,4000箇所のWAON加盟店(2012年2月末現在)で電子マネー「WAON」による決済が可能となる。すでに藤田観光グループでも、54施設での料金の精算はWAONで決済できるようにしている。会員は、WAONで決済すると、藤田観光ポイントに加え、200円につき1 WAONポイントが付与される。
さらに、同カードは内蔵のICチップを活用することで会員情報を瞬時に確認できる。会員は、フロントで会員カードをタッチし、署名するだけでスムーズなチェックインが可能となる。また、ホテルグレイスリー札幌、銀座、田町では、同カードをルームキーとして採用しており、今後は、他のホテルにも広げていく方針だ。
「将来的には、精算やルームキー、エレベーターなどでの活用だけでなく、客室の有料ビデオの精算や自動販売機などにWAON決済を採用し、チェックインからチェックアウトまでカード一枚でお過ごしいただけるようにしたいと考えています」(寺田氏)
さらに、提携先のイオンでは、旅行会社や結婚相談所などを運営しているため、藤田観光のホテル事業とのコラボレーションが期待できるという。イオンやイオンクレジットサービスとしてもイオングループ以外でのWAONの利用拡大に力を入れており、積極的なPRを行う予定である。例えば、イオンクレジットサービスでは国内に2,000万人以上のイオンカード会員を抱えており、毎月カードの利用会員へ利用明細書を発行している。その会員に対し、藤田観光運営のホテルの宿泊やイベント情報などの告知をしてもらうという。
なお、カード会員のデータは藤田観光とイオンクレジットサービスが共同で保持することになる。藤田観光では、新カード発行に伴い、会員の属性や利用履歴を詳細に閲覧できるシステムを開発。同社ではその情報をベースに誕生日や結婚記念日、ホテルが込み合う時期も会員特別枠で優先予約できる案内などをメールなどで積極的に行う予定だ。
旧カード利用者の入会で7~8万人
30万人の会員入会を目指す
会員に対しては、Webサイト上に専用のマイページを用意。会員は同サイトにログインすることにより、ポイント明細の確認やポイント交換商品の申請、登録情報の変更が可能だ。同社では、スロットゲームへの参加でポイントが貯まる仕掛けなどを用意し、会員にアクセスしてもらう方針だ。
同社では、カード発行を記念して、2012年3月31日までに入会した人の中から抽選で、フォーシーズンホテル椿山荘 東京、ホテルグレイスリー、ワシントンホテルの宿泊券や箱根小涌園ユネッサンの入場券が当たるキャンペーンを実施するなど、積極的な会員獲得に努めている。
カード会員の目標については、「ワシントンカードは25万人の会員がおり、年1回以上ご利用いただいた方は11万人でした。現在、旧カード利用者から7~8万人の会員獲得を見込んでいます。できれば、2014年中には新規会員も含め、30万人の方に入会していただきたいと考えています」と寺田氏は意気込みを語った。