2012年4月12日15:00
NTTデータは、外貨建てのクレジットカード決済実現のため、クレジットカード会社向けに、カード決済総合ネットワーク「CAFIS」の新サービス「多通貨決済サービス」をクラウド型サービスとして提供開始すると発表した。また加盟店向けとして、まずはECサイト事業者を対象としたクラウドサービス「BlueGate」において「BlueGate多通貨決済オプションサービス」の提供をスタートする。これにより、同サービスを導入する国内ECサイトで、海外の消費者が外貨建てでカード決済を行えるようになる。
なお、同サービスのファーストユーザーとして、三井住友カードに多通貨決済オプションサービスを提供する。また、三井住友カードと加盟店契約を結んでいる格安航空会社、Peach AviationがBlueGate多通貨決済オプションサービスを利用した、ECサイトにおける外貨建て航空券販売を2012年4月6日から開始した。
カード会社向け多通貨決済サービスでは、クレジットカード会社に対し、外貨設定された与信照会電文および売上データを国際ブランド (Visa、MasterCard)に中継代行する機能および加盟店向け精算レポート作成機能を提供する。
カード会社のメリットとしては、まず海外における商圏拡大を目指す加盟店の獲得が期待できるという。また、外貨が設定された与信照会電文および売上データを、カード会社のシステムを経由することなくNTTデータが直接国際ブランドに中継し、その結果を加盟店精算レポートとしてカード会社の既存システムとの親和性の高いCDSデータフォーマット形式として返却することで、カード会社のシステム開発負荷の低減を図ることが可能だ。さらに、サービス開始から28年以上にわたり決済データ中継を提供してきたCAFISをベースとした新サービスであり、高い信頼性にもとづいた多通貨決済対応が可能になるという。
加盟店に向けては、多通貨決済サービスを利用するカード会社に対し、外貨建ての与信照会電文をカード会社に中継する機能、外貨建ての売上データ代行作成し中継する機能を提供する。また、取引履歴を閲覧できる検索サイトを用意している。
加盟店にとっては、外貨建てでクレジットカード決済を行うことが可能となるため、海外の消費者が購入時点で支払額を知ることができるようになり、海外向けの商圏拡大が期待できる。また、同サービスを利用して決済を行った売上代金は、加盟店に対し円建てで支払われる。これにより、加盟店は外貨取り扱いに関する業務負担を大幅に軽減することが可能だ。さらに、同サービスを導入し、かつ多通貨決済サービスを提供する国内カード会社と加盟店契約を行うことで、日本ならでは高い信頼性、サービス品質の下、外貨建てのクレジット決済を導入することが可能となる。
NTTデータは、外貨建てクレジットカード決済の取り扱いを考えるカード会社および海外展開を図るインターネット通販事業者に多通貨決済サービスとBlueGate多通貨決済オプションサービスの導入を幅広く進めていくとともに、多機能決済端末「INFOX」や各種カード決済機能を提供するASPサービス「PastelPort」への多通貨オプションの追加などを予定している。