2012年7月9日8:00
小口決済サービスでの利用やモニターへの参加でポイントを付与
ゲーミフィケーション導入支援ツール「playground β版」の提供を開始
ネットマイルは、共通ポイントサービスの提供事業者として草分け的な存在だ。同社では、共通ポイント「ネットマイル」を活用した小口決済サービスやネットマイルモニターの提供など、斬新なサービスを次々に打ち出している。6月28日には、ゲーミフィケーション導入支援ツール「playground(プレイグランド)β版」の提供を開始した。
貯まったポイントは約200種類の特典商品と交換が可能
アクティブユーザーは約30万人
ネットマイルは、インターネット上で共通ポイントサービス「ネットマイル」を運営しており、会員数250万人、加盟サイト数は1,200サイトを超える。利用者は、ネットマイルのサイト内でのキャンペーン参加・アンケート回答・ゲームや、同社サイトを経由して他社サイトで買い物をする等でポイントが付与される。
また、提携するサイト上で会員登録、アンケート回答、資料請求などを行うと共通のマイルを獲得できる。さらに、貯まったマイルは、航空マイレージ、携帯電話のポイント、他社ポイント、電子マネーなど、約200種類の特典商品と交換が可能だ。最近では、セブン・カードサービスの「nanacoポイント」、東京メトロの「メトロポイント」、日本航空の「JALマイル」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクポイント」、ウェブマネーの「WebMoney」、アップルの「iTunes Card」などへの交換が人気となっている。
会員は、男性が6割、女性が4割となっており、年代としては30代が中心だ。登録者はPCでの利用が圧倒的に多いが、最近では、スマートフォンからの登録者も増えている。
「ネットマイルのユーザーは、インターネットを利用している方が中心ですが、現状、ゲーム系の施策が反応としては一番良く、会員のモチベーションも高いため、ゲームのコンテンツを拡充しています」(ネットマイル 代表取締役CEO 畑野仁一氏)
ネットマイル会員で、繰り返し何度も利用するアクティブユーザーは約30万人。なかでも、ゲームを利用するユーザーは30代が多いため、その伸びが著しいという。同社のアライアンス先の担当者からも会員を活性化させる手段として、ゲームの要素を入れた企画を要望することが多くなっている。
また、会員に対しては、期間限定のキャンペーンやメール配信などによりアプローチを行っている。
ネットマイルを使った小口決済サービスを提供
ネットマイルモニターなどO2Oの展開を強化
同社では、ペイパルジャパンと連携し、インターネット上でサイト運営を行う企業に対し、ネットマイルを使った小口決済サービスの提供を開始。会員は、貯まったネットマイルを利用して、自社のサイトに加え、外部のサイトでも決済を行うことが可能だ。また、不足分の金額は、オンライン決済サービス「PayPal」を利用して決済が行える。現在、同サービスは、バンダイナムコゲームス社が運営する、「神羅万象フロンティア」、「バナフェス!タウン」、サイブリッジが運営するフラッシュマーケティングASPサービス「Dadat」など、約10サイトで利用できる。
同社では「O2O(Online to Offline)のサービスも強化している。2011年12月からは、飲食店などの販売促進・マーケティング支援を行うROIと提携し、覆面モニターシステムを活用したリアル送客サービス「ネットマイルモニター」の提供を行っている。ネットマイルモニターでは、ネットマイルの会員に対し、ROIと提携する約4,000の飲食店やヘアサロン、スクールなどのリアル店舗での体験モニターや、指定商品の購入モニターの募集を行う。モニターは、店舗や商品を利用した後、感想をネット上でアンケート回答することで、支払い代金の30~50%に相当するポイントが、ネットマイルとして付与される仕組みだ。
「会員からの反応もよく一定の成果を感じていますが、まだまだ地域のカバー率が低いという課題があります。今後、モニターを実施するカバー率が全国的に高まれば飛躍的に伸びるサービスであると考えています」(畑野氏)
また、新たな取り組みとしては、クレジットカード会社のジャックスと提携し、2012年6月5日から、ネットマイルのマイルがお得に貯まる新しい提携クレジットカード「NetMile Premium Card」の募集を開始した。
playgroundではゲーミフィケーション導入に必要な要素をAPIで提供
アクションに応じてポイントやステータス、ランキング、バッジを付与
ただ、同社では古くから共通ポイントサービスを展開しているが、アフィリエイトサイトなどを利用するユーザーからみると「DeNA」や「GREE」、「楽天」などのポイントと同社のネットマイルは同様に捉えられるケースも多くなっているそうだ。畑野氏は、「ネットの世界では共通ポイントという概念が徐々に薄れてきています」と話したうえで、「インターネットの場合は、お客様を囲い込むこと時代がナンセンスな時代になります。これまで大手ショッピングモールなどでは外部にトラフィックを出すことを禁止していましたが、最近ではSNSサイトなどに情報を流すことができるようになりました」と説明する。
同社では、ゲームがもつユーザーを活性化させる要素をゲーム以外のサービスに組み込み、ユーザーのモチベーションやロイヤリティを高める手法であるゲーミフィケーションの導入支援ツール「playground(プレイグランド)β版」の提供を開始した。料金は、月額8万円からとなる(初期費用は別途)。ネットマイルでは、1年間で100社への導入を目指す。
ネットマイルは10年以上に渡り、共通ポイントを通じた新規ユーザー獲得やロイヤリティの向上など、インターネットユーザーと企業の橋渡しを行ってきた。ゲーミフィケーションを成功させる上でポイントは重要な構成要素の1つであり、これまでネットマイルが培ってきたノウハウをより簡単に、より柔軟に提供するためのソリューションを提供するに至ったという。
playgroundではそのゲーミフィケーション導入に必要となる要素をツールバーやAPIを通じて提供する。ユーザーのアクションに応じてポイントやステータス、ランキング、バッジの付与に加え、ソーシャルメディアへの情報拡散を促す機能を実装することができる。また管理画面を通じて最適化されたルールを設定し、レポート機能を使うことでPDCAサイクルを実現することが可能だ。
すでに大規模なデータを保有する企業などとの提携も進めており、従来から強みを持つリサーチ事業やプロモーションのノウハウの提供を行う予定だ。
※iPhone、iPad、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。