2012年8月23日8:00
大手カード会社が汎用型ギフトカードを発行開始
クレジットカードからのオンラインチャージの浸透を目指す
富士通エフ・アイ・ピー(富士通FIP)は、凸版印刷と共同で「ギフトカードASPサービス」を提供している。2012年には大手カード会社の三井住友カードが汎用型ギフトカードの発行を開始するなど、ギフト・プリペイドサービスの市場は拡大しつつあるという。
汎用ギフトによりポイントの交換商品や法人用途での活用も進む
スーパーなどでのハウス電子マネー導入が進む
富士通FIPでは、日本百貨店協会の「百貨店ギフトカード」をはじめ、72社のギフト・プリペイドカードサービスにシステムを提供しており、大手企業での採用実績は国内で屈指となっている。
「2012年の大きなトピックとしては、大手カード会社である三井住友カードが「ギフトカードASPサービス」を採用し、汎用的なギフトカードの発行を開始しました。これにより、より利便性の高いサービスが可能になり、認知度の向上も見込めます」(片野坂氏)
例えば、同じプラットフォームを利用している百貨店や家電量販店などでは、カード会社が提供するギフトカードを利用することが可能だ。また、カード会社にとっては、クレジットカードで貯めたポイントの交換商品として提供したり、法人向けに販売することにより、幅広い顧客を加盟店に送客可能だ。
また、2012年は旅行サービス大手のジェイティービーの、「JTBトラベルギフト」サービス等がスタートしている。さらに、これまでは大手企業での採用が中心だったが、スーパーやドラッグストアに対して、ハウス電子マネーの提案が進んでいるという。最近ではWebサイト経由で引き合いが来ることも増えたそうだ。また、地方からの引き合いも増えつつある。
加盟店に対してのサービスの拡充に向けては、決済代行事業者のソフトバンク・ペイメント・サービスと連携し、クレジットカードからバリューをチャージできるシステムを構築した。これにより、ギフトカードの残額がなくなった場合、クレジットカードでチャージして繰り返し利用することが可能となる。カードの発行企業にとってもカード利用者の再来店を促すツールとして有効に利用できる。
また、POSとの連携も強化しており、例えば富士通フロンテックのPOSシステムは同社のセンターの仕様に合わせた標準パッケージとしてリリースしている。さらに、富士通FIPでは、安価な据置端末を提供するため、モバイル・コマース・ソリューションとも提携している。
今年度中に100社への導入を目指す
年間10億を超える売り上げを早期に実現へ
昨今では、GMS、コンビニエンスストア、家電量販店、スーパーなど、ギフトカードの他店舗販売が広がりを見せている。同社では、インコム・ジャパンやティーガイアなどと連携し、カード発行企業に対して、モールでの販売について提案を行っている。
また、モバイル端末を利用したギフトカードシステムやソーシャルメディアとの連携については、オープンなプラットフォームを利用して外部企業と連携することで対応する方針だ。
同社では、凸版印刷とともにサーバ管理型のギフト・プリペイドカード黎明期からビジネスに取り組んできた。生みの苦しみを乗り越え、収益的にはプラスに転じたが、まだまだ市場は拡大すると期待している。同社では、今年度中にトータルで100社の稼働を目標としている。
片野坂氏は、「2011年に比べて2割程度引き合いが増えています。当初は苦労もありましたが、業界的な広がりに加え、カード会社の本格発行により、ここ2~3年でターニングポイントを迎えると思います。売り上げについては年間10億を超える金額まで早く持っていきたいです」と自信を持って語った。