2010年7月7日 09:35
料金収納代行システムを応用しギフトカードモール事業に参入
コンビニのシステム投資がかからないアクティベーションを実現
電算システムは同社がコンビニエンスストア(コンビニ)で展開している料金収納代行システムを活用しギフトカードモール事業に参入した。料金収納代行のサービスをそのまま利用することにより、カード販売店舗ではシステムの改修を最小限に留め、容易にギフトカードの陳列、販売が可能になるという。
カード裏面のバーコードは
収納代行の払込票と同様に
「コンビニエンスストアでギフトカードを販売する最大のアドバンテージは、POSレジの改修が必要ないことです。弊社は料金収納代行サービスを主要なコンビニで展開しており、そのシステムを応用することで、POSレジでカード・アクティベーションが可能になります。そのため、コンビニのシステム投資のコストを最小限とすることができます。すでに複数のコンビニチェーンと話を進めています」(電算システム 事業開発推進室 室長 高橋譲太氏)
電算システムは、利用者がレジでギフトカードを購入する際、POSレジで金銭的価値を付与する仕組みを構築した。すでにコンビニ用のパッケージやシステムの仕様なども決定。カードの裏面には料金収納代行システムで利用する払込票同様に四十数桁のバーコードを印字。店員はレジで裏面のバーコードを読み込むことによりアクティベーションを行うことができる。同社では主要なコンビニで収納代行サービスを展開している強みがあるため、「目標はより多くのコンビニ店舗での採用」と高橋氏は自信を隠さない。
コンビニでの展開になれば、各都道府県や市町村、あるいは市街地や住宅街など、店舗の周辺環境によって販売する商品や客層も異なってくる。そのため、「販売するカードの種類やカードの設置場所などは、コンビニやカード発行事業者などと協議を重ねて決めていきたいと考えています」と高橋氏は説明する。
コンビニと一緒に売り場をつくる
他の流通事業者にも展開可能
ただ、同社ではコンビニへの導入が、即ギフトカードの普及につながるとは考えていない。「日本ではまだ、ギフトカードそのものが広く認知されているわけではありません。国内で定着するのには時間が必要かもしれませんが、新たな商材としてコンビニと連携して、売り場や市場をつくっていきたいと考えています」(高橋氏)
ASP事業者は凸版印刷などとの接続を完了している。また国内でも複数のギフトカードモール事業者が存在するが、「場合によっては協力することもあり得る」(高橋氏)という。
ギフトカード市場全体としては、来年以降の広がりに期待しており、十分に普及への手応えを感じている。「現在、収納代行のサービスはコンビニが主流ですが、ギフトカード販売の仕組みも兼ねれば、それ以外の流通事業者でも興味を示しているところは多いです。ギフトカードモールで先行している家電量販店やショッピングモール、スーパーへの導入を始め、ドラッグストアなどへの展開も検討しています」(高橋氏)。同社では将来的にギフトカードモール事業者としてのリーディングカンパニーを目指していきたいとしている。
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