「プラスチックプリペイドカード」特集 ギフトカードモール事業者1 インコム・ジャパン

2010年7月7日 09:30

カード流通の仕組み整備が米国での普及を牽引
日本でのギフトカードモール浸透は来年以降?

世界最大のプリペイド・ギフトカード流通事業者であるインコム。国内でも2008年の西友への導入を皮切りに国内屈指の実績を築いている。同社のPOSA(InComm’s Fast Card Point-of-Sales Activation)技術を利用すれば流通加盟店は店頭にさまざまなブランドのプリペイド・ギフトカードを陳列して販売する「ギフトカードモール」の展開も可能だ。日本法人のインコム・ジャパン 代表取締役社長 荒井琢麿氏に米国での普及の流れや日本での可能性を説明してもらった。

米国では国際コーリングカード販売が契機

日本では「iTunes Card」がキラーコンテンツ

――米国のギフト・プリペイドカード普及の流れをお聞かせください。

インコム・ジャパン 代表取締役社長 荒井琢麿氏

荒井:米国では80年代以前から、各種国際コーリングカードがさまざまなお店の店頭で販売されていました。しかし、店舗での盗難、紛失リスクのほか、在庫リスクなどが大きな課題でした。この課題解決のため、インコムが有効化専用端末を開発したのが、90年代初頭になります。金券類の取り扱いに窮していた米国の流通各社はこぞってこの専用端末の利用を始めました。その後数年のうちに、専用端末の機能が完全にPOSレジに実装され、いわゆるPOSAがインコムによって発明されました。

時を同じくして、プラスチックギフトカードの発行が始まります。米国でのプラスチックギフトカードの発祥についてはさまざまな説がありますが、1990年代前半にガソリンスタンドチェーンが発行したカードがスタートだと言われています。その後数年の間に、実に多くの企業が自社のギフトカードを発行し始めました。当時は必ずしもギフト利用でなく、現金の代わりにカードで返金したり、従業員へのインセンティブとして配布したり、プロモーションツールに活用していたのが実態です。

コーリングカードを効率よく販売する仕組み(POSA)がギフトカード流通に応用され始めたのは、90年代半ば頃からです。日本のマーケットではアップルの「iTunes Card」がキラーコンテンツになり、POSアクティベーションが広がりましたが、米国では国際コーリングカードを効率よく売るためにPOSアクティベーションが発明され、そこにギフトカード、ゲームなどのコンテンツカード、国際ブランドのプリペイドカードが加わった形です。

――米国ではギフト需要が多いため、ギフトカードモールが普及したと言われていますが実際はどうなのでしょうか?

荒井:よく米国ではギフトで物を贈る文化が定着しているため、ギフトカードが普及したと言われていますが、米国のギフト消費は11月、12月が全体の40%ほどを占めていると言われます。一方日本ではお歳暮、お中元の文化に加え、入学式、結婚式、母の日、バレンタインデーなど、物を贈る習慣は定着しており、1年を通してのギフト需要は高いと考えています。

米国で発行されている国際ブランドのプリペイドカード。左がVisa、右がAmericanExpress

実際に米国でギフトカードが普及した一番の要因は、流通のための仕組みが整備されたからだと考えています。カードの仕入れ、金券管理、在庫管理、棚卸などの仕組みが整備され、カードの有効化や減算処理などのアクティベーションを店舗のPOSレジで簡単に行うことができるようになったのは大きな出来事でした。

前述のように、そもそもアクティベーションの仕組みは80年代からありましたが、その頃は専用端末を利用していました。ただ、端末のジャーナルが詰まる、POSレジの売上・返品記録と完全に一致しないなど、メンテナンスにかかる負荷が大きく、数々の課題があったのは事実です。これらすべての課題を一挙に解決する手段として、POSレジとの完全な連結(POS Activation)が開発された結果、大手流通での展開が始まりました。

現在も米国のギフト市場は成長しており、流通企業のギフトカードはもちろん、VisaやMasterCard、AmericanExpressといった国際ブランドが発行するカード、ゲームやコンテンツ系のカードの伸びが著しいです。

年末から来年にかけて

新たな業態でギフトモールがスタート

――日本でのギフトカードモールの普及はいつになるでしょうか?

荒井:日本でも採用する企業は増えていますが、本格的な普及は来年以降でしょう。日本のカード発行会社の多くは、プラスチックギフトカードを決済手段として捉えており、販売する店舗へのマージンはそんなに払えないという意見が多いのも事実です。弊社の考えでは、ギフトカードは決済手段ではなく、自社のサービスの流通手段だと考えています。

例えば、アップル社にとって、iTunes Cardは単なる決済手段ではなく、ブランド訴求の手段であり、新規ユーザーへのリーチであり、ハードウエア販売のためのツールであり、(大量陳列することから)広告宣伝手法であり、かつ決済手段なわけです。店頭でお客様の手の届かないところまでカードが陳列されているのはこのためです。1枚のプラスチックカードを用いて、非常に戦略的な展開がなされています。

――日本での実績と今後の採用予定についてお聞かせください。

ヨドバシカメラ秋葉原店に陳列された「NEXON ポイントカード(POSA版)」(左)と西友LIVIN よこすか店に陳列された「iTunes Card」と「NEXON ポイントカード(POSA版)」(右)

荒井:日本では西友、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、HMVジャパンの5社に採用されています。年末から来年にかけては、新たな業態でギフトカードモールの市場が立ち上がる予定です。

今現在、ギフトカードモールで販売されているカードはアップル社の「iTunes Card」、ネクソンの「NEXONポイントカード」、シグナルトークの「Maru-Janギフトカード」ですが、すでに国内のギフトカードASPベンダーである凸版印刷、バリューデザイン、レピカとの接続を完了しており、年末に向けて30種類のカードがモール展開される予定です。

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※ iPhone、iPad、iTunesは、米国および他国のApple Inc.の登録商標です。

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