2013年3月4日20:00
野村総合研究所(NRI)は、スマートデバイスを活用して、一人ひとりの顧客に合わせた接客や“顔パス”決済を実現する、「顔なじみ」プラットフォームのプロトタイプシステムを開発したと発表した。
「顔なじみ」プラットフォームは、会員が、来店前にスマートデバイスの画面で「チェックイン(店舗への訪問予告)」を行うことにより、来店時に、一人ひとりに合わせたサービスを提供するとともに、購入時の“顔パス”決済までをシームレスに実現する仕組みであるという。自社の他店を含む購買履歴や、嗜好などの情報を、来店時の接客サービスに活かすことが可能だ。
会員は、来店した店舗での“顔パス”による決済が可能になる。決済時の本人認証は、事前に登録した会員の顔写真や名前などを用いるほか、NRIが独自に開発したパスワード発行技術等と組み合わせることで、安全に行えるそうだ。
また、店舗が発行したクーポンやポイントプログラムのカード類を財布等で持ち歩かなくても、スマートデバイスで受信・確認できるので、忘れがちなクーポンやポイントプログラム等の特典を有効に利用可能となっている。
店舗にとっては、店舗側で来店予定の会員情報を事前に把握でき、一人ひとりに合わせたサービスの準備が行える。例えば、対応する店員を事前に決めておいたり、以前に、その会員が購入した服のサイズやブランド、好みの色などを店員が把握したうえで、応対することが可能だ。また、現金やカード、レシートのやり取りが“顔パス”決済によりなくなるため、決済処理が円滑に行えるという。
NRIでは、「顔なじみ」プラットフォームの実証実験に、賛同・協力が得られる企業を募集する。同社では今後約1年間かけて5社程度の企業と共同でマーケティング効果を検証し、企業の既存の情報システムやマーケティング施策と連携することで、本格的なサービスとして提供していくことを目指す。