ポイントサービスの最新動向(1)~野村総合研究所 安岡寛道氏

2010年10月13日8:35

ポイントサービスの最新動向(1)~野村総合研究所 安岡寛道氏

共通ポイント「Tポイント」「Ponta」が市場を牽引
今後は公共や政府が発行するポイントにも注目へ

今年に入りポイントカードを巡る動きが活発化している。これまで共通ポイントの世界はカルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」の独壇場だったが、3月に三菱商事子会社のロイヤリティマーケティングが「Ponta」のサービスを開始した。また、大手企業が地域の商店街を巻き込んだポイントの発表も相次いでいる。そこで、昨今のポイントサービスの動向について野村総合研究所 上級コンサルタント サービス事業コンサルティング部の安岡寛道氏に説明してもらった。

PontaがTポイントを追随

ネットとリアルの連携を目指す楽天

ここ最近のポイントの動向としては、まずカルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」、ロイヤリティマーケティングの「Ponta」という2つの共通ポイントの動きが注目されます。

Tポイントは参加企業70社、発行枚数は3,500万枚を超えており、すでに生活者にとってはなくては困る存在になりつつあります。ヤフーと包括提携を結び、11月中旬から「Yahoo!ショッピング」の利用でTポイントが貯まるサービスをスタートします。同社ではヤフーとの提携や「TログインID」の発行など、インターネット上にサービスを拡大することで、2013年末までに会員数を6,000万人にすると発表しています。

また、ロイヤリティマーケティングが3月からスタートしたPontaも2,500万人の会員を抱えており、現在でも毎月100万枚のペースで発行枚数が伸びています。現在はローソンとゲオの顧客層が中心ですが、提携先の拡大とともに他店舗での利用も増えていくと思われます。Pontaのいいところは、ロイヤリティマーケティングが中立的な姿勢を貫いており、単純に一対一ではなく、提携企業を循環させる提携戦略を取っている点が挙げられます。

野村総合研究所 上級コンサルタント サービス事業コンサルティング部 安岡寛道氏

一方、楽天はグループ内に閉じる大きなポイントになりつつあります。すでに同社の「楽天スーパーポイント」は6,000万人の会員を要しており、インターネットの世界ではナンバー1のポイントと言えるでしょう。最近では楽天がビットワレットを買収したように、ネットとリアルとの連携も進めています。

インターネット上でのポイントに関しては、TポイントとPontaはまだそれほど強くはなく、これから進出する段階です。ある量販店では店舗で購入している人がインターネットの買い物でさらに商品を購入していることがわかったように、今後は、人の行動をリアルとネットで融合させて考えていくことが求められるでしょう。

逆にビジネスマンが中心のJALやANAのマイレージに関しては、今後は大きな伸びは見られないと思われます。航空便の数はそれほど増やすことはできませんし、彼らの経営課題の一つに増えすぎたマイルをどう吐き出すかというものもあります。

業界トップは自社でポイントを発行する傾向

2015年に国際会計基準がポイントに適用へ

今後は流通系のTポイント、Ponta、楽天といったポイントが中心になっていくでしょう。Pontaの登場はTポイントにとってもプラスに働くことは間違いありません。両社は客層が重なっているという話もあり、Pontaの登場でTポイントはより消費者に意識されるようになると思います。逆にTポイントやPontaに参画できなかった企業が消費者の選択肢に入らなくなる危険性があります。

現状としては、各業界の1位や2位は自社でポイントプログラムを展開する傾向にあります。逆に離れた2位や3位、4位は共通ポイントに参画するケースが多いです。2015年以降に「国際会計基準(IFRS)」が導入され、ポイントの会計処理の仕方が変わると、企業は1ポイント当たりいくらの金額になるかを計算して全額負債(繰延収益)に計上しなければならなくなります。そうなると、自社でポイントを管理するよりも共通ポイントに参画するほうが、経営上、メリットが生まれると考えられます。

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