2013年8月9日8:00
多彩な決済サービスに加え、公共料金や税金の支払いも強化
決済手段の拡充、加盟店の集客支援、海外展開など、事業を拡大
決済専業で唯一の東証一部上場企業であるGMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)は、約4万2,000店舗が利用する国内最大級の決済処理事業者である。同社では、決済手段の充実、集客支援、システムの拡充といった加盟店のサポートに力を入れている。また、公共料金や税金の支払いサービスも提供しており、順調に利用が進んでいるそうだ。
業界最多の4万2,000店舗の加盟店を有する
EC市場の成長に加え継続課金分野の拡大が業績をけん引
GMOペイメントゲートウェイは、国内で唯一、決済処理事業者として東証一部上場を果たしている。今期の売上の予想数値は56億7,000万円。2013年3月末では計画通りのペースで推移しており、経常利益は20億4,000万を想定している。決済処理金額は年間1兆円を超え、「20%程度のシェアがあると弊社では試算しています」(GMOペイメントゲートウェイ 企業価値創造企画室室長 戸澤宏文氏)と自信を見せる。
加盟店数は間違いなく業界№1の実績を誇る。2013年6月末現在、4万2,889店舗が同社のサービスを利用している。GMOペイメントゲートウェイは大手から中堅の企業との契約が多いが、子会社のGMOイプシロン(旧イプシロン)では中小規模店舗との契約も行っている。
社員数も約250人と国内の決済処理事業者の中では数多く抱えている。決済処理事業者としての規模はもちろん、「弊社の強みは営業力」と戸澤氏が語るように、導入を希望する企業や既存加盟店に対しての迅速なサポートは強みとなっている。加盟店としては、大手アパレルモールやソーシャルゲームなど、名だたる企業と提携している。同社では、ECそのものが消費者に浸透し、スマートフォンを活用したサービスが普及する中、それに対応したシステムの提供にも力を入れている。
同社の「PGマルチペイメントサービス」は、規模や環境、形態にとらわれず、幅広い事業者に対応している。加盟店は、クレジットカード決済に加え、コンビニ決済、電子マネー、Pay-easy、口座振替、代引決済、キャリア決済など、さまざまな決済手段を導入可能だ。
それに加え、公共料金、国や地方自治体に納める税金や料金などの「公金」の支払いに特化した決済サービスを古くから提供している実績がある。すでにNHK、日本年金機構、東京都などで採用実績がある。
例えば、東京都では2011年から自動車税の支払いが可能となり、年々取扱件数は伸びている。また、2013年5月からは大阪府でも自動車税の支払いを開始。大都市圏での導入は進んでいるが、まだまだ未開拓の自治体も多いため、積極的に働きかけを行う方針だ。
決済を導入した加盟店の集客支援にも力を入れる
GMO-PSを設立し「GMO後払い」の提供を開始
また、既存加盟店が売上をアップするためのサポート体制が整っている点も強みとなる。同社の決済システムを利用するユーザーに対し、Yahoo!やGoogleといったリスティング広告、オーガニックにおける上位表示施策など、「集客支援サービス」を行っている。加盟店にとっては、リアルな決済データをベースとした提案と、大手の代理店にはない手厚いサポートが決済サービスにプラスされた付加価値となっており、加盟店の売上アップを図り、離反を防ぐ役割も果たしている。実際、これまでの実績として、利用するユーザーの約95%が売り上げアップに結びついているそうだ。手数料についても決済を利用するユーザーに対し安価に提供できるという。
新たな決済サービスとしては、GMOペイメントサービスを設立し、商品到着後にコンビニのレジや郵便局(ゆうちょ銀行)の窓口、銀行の窓口・ATMから決済できる後払い決済「GMO後払い」を開始、2013年8月から本格サービス提供を予定している。昨今、「後払い型」決済に対するニーズが高まっていること、業界のリーディングカンパニーとして、先んじて決済手段を揃えていくという思いもあり、同サービス開始に至ったという。
後払いサービスの提供に向けては、同社が与信をする必要があるため、「既存の4万店以上の加盟店を中心に、無理をせず着実に広げていきたい」と戸澤氏は説明する。GMOペイメントサービスについては、3~4年後の黒字化を目指すそうだ。
また、2012年10月に設立したシンガポール子会社GMO Payment Gateway, PTE. LTD.(GMO-PGシンガポール)を通じて、海外決済サービス「GMO-PG Global Payment」の提供を2013年10月上旬より開始する予定だ。シンガポールを起点に、タイ、インドネシア、マレーシアでの展開も視野に入れる。海外については1~2年後というよりは、中長期的なスパンで収益に結びつけていきたいとしている。
将来的に20万件の加盟店獲得を目指す
唯一の上場決済処理事業者としてサービス強化に取り組む
なお、加盟店については2013年度上期で3万8,900店舗を獲得。2013年6月末で4万2,889店舗と着実に増えているが、今期については、加盟店数はもちろん、成長性ある事業者と如何に契約できるかを考えていきたいとしている。また、「売り上げも利益も継続的に前年比2割以上高めていきたい」と意気込む。
システムについては、前年度よりデータセンタ統合に着手。これにより、決済の処理能力が約5倍にアップするそうだ。スマートフォンの利用者が増えると、持ち歩いて決済を行う機会が増えるため、特定の時間にアクセスが集中するケースが多くなるが、そういったアクションにも対応可能となる。同社ではシステムに対する設備投資も定期的に行っており、売上全体に占める10%程度のコストがかかっているそうだ。
企業としての将来的な目標は20万件の加盟店獲得だ。日本には600万事業体があるが、日本のEC化率は未だ2.8%、海外と比べ向上余地は十分ある。EC化率が10%になれば60万事業者がEC加盟店となり、そのうちの20万加盟店を獲得するという目標は業界内のシェア拡大も見据えている。一見、高い目標のように思えるが、「有言実行できるように努力したい」と戸澤氏は意気込みを見せる。
「弊社は唯一の上場決済処理事業者として、情報を公開している立場にありますが、有言実行していくことが、強みを強化していくことにつながります」とリーディングカンパニーとしての自信をみなぎらせた。
なお、昨今ではリアルとネットを結ぶO2O(Online to Offline)が話題となっているが、オフラインでの展開については、子会社のシー・オー・シー(COC)を中心に展開している。現在、COCでは大手飲食店などのチェーン店をターゲットに数千台規模の案件獲得に力を入れている。
企業名 | 所在地 | HP | |
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GMOペイメントゲートウェイ株式会社 | 〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-14-6 渋谷ヒューマックスビル [TEL] 03-3464-2323 [FAX] 03-3464-2477 |
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サービス概要 | |||
GMO-PGは、ネットショップや SNS・スマートフォン上で展開するコンテンツなどの非対面販売型の事業者、NHKなど月額料金課金型の事業者、並びに日本年金機構や東京都等の公的機関など4万店舗以上(GMOペイメントゲートウェイグループ2013年3月現在)の加盟店に、クレジットカードをはじめとする決済処理サービスを提供しております。消費者と事業者にとって安全性が高く便利な決済を実現し、日本の決済プロセスのインフラになることを目指しております。決済業界のリーディングカンパニーとしてイノベーションを牽引し、日本のEC化率の向上に貢献いたします。 |