2014年4月3日7:34
来店するだけで楽天スーパーポイントが貯まる「楽天チェック」を開始
約9,000万人の楽天会員を実店舗に送客
楽天のグループ会社であるスポットライトは、2014年4月2日に記者会見を開催し、同日から来店ポイントアプリ「楽天チェック」の提供を開始すると発表した。導入企業は、「紳士服はるやま」「ジョーシン」「日比谷花壇」など全国30強の企業、61ブランド、1,112カ所となっている。
楽天スーパーポイントの効果は絶大?
スーパーでの検証では20倍の効果
「楽天チェック」は、店舗の来店時、購入の有無にかかわらず「楽天スーパーポイント」を付与する無料のiPhone/Androidアプリとなる。約9,000万人を有する楽天会員に向けて、「楽天スーパーポイント」をフックに実店舗送客につなげる狙いだ。楽天会員は国内ネットユーザーの93%を占めるという。スポットライト 代表取締役 柴田陽氏は、「楽天チェックは楽天会員を基盤している点が大きい」と自信を見せる。
スポットライトは、2011年9月に来店検知型のポイントアプリ「スマポ」をリリースした。2013年10月には、楽天に買収され、完全子会社となった。
柴田氏によると、集客において「ポイントは効果絶大」であり、ポイントを3倍にしたところ売り上げが伸びるケースも多いそうだ。実際、「スマポ」では、節電関係の企画で、来店ポイントを3倍にしたらチェックイン数は約2倍(2.06倍)となった。さらに、従来の「スマポ」のサービスに「楽天スーパーポイント」を加えることで、来店の効果は高まるという。実際、船橋のスーパーのロピアでスマポ10ポイントの代わりに、「楽天スーパーポイント」100ポイントを付与する企画を2014年1月に5日間行った結果、約20倍の集客を実現できたそうだ。
登録は「楽天ログイン」で可能
売り場単位でピンポイントな集客ができる
アプリをダウンロードしたユーザーは、アプリ内に表示される店舗に行き、指定エリアでチェックインボタンを押すだけで、「楽天スーパーポイント」が付与される。登録についてもIDとパスワードによる「楽天ログイン」のみで可能となっている。
新機能としては、メッセージ機能を搭載。初回のチェックインの場合は「2000ポイントオフ」といった特典を提供可能だ。また、店舗からアンケートを送るなど、インタラクティブなコミュニケーションが行える。さらに、店舗独自の記事を設けることにより、参加店舗の売りとする商品なども紹介可能だ。
ただし、ポイントをただ単に多く付与するだけでは、その魅力も半減してしまう。スポットライトでは、楽天チェックをバラマキにしないための工夫として、「対象者を性別や年代で絞り込む」、「月や週単位で顧客ごとの来店頻度を設定可能」にするといった機能も提供している。また、超音波を使った正確な来店検知技術(特許取得済)により、「売り場単位でピンポイントな集客が可能」であると柴田氏は説明する。
提携社の費用は集客人数に応じた成果報酬
2015年までに年間1億人の利用を目指す
なお、ポイントの提携社については、競合のポイントサービスの参画企業なども含め、制約は設けていない。また、提携社が支払う費用に関しては、集客人数に応じた成果報酬となっている。
柴田氏は、「2015年までに年間1億人を導入できるような集客プラットフォームを目指していきたい」と意気込みを見せた。
利用促進としては、2014年4月4日10時~2014年4月7日9時59分の期間中に、キャンペーンサイトからエントリーし、「楽天チェック」をインストールし、アプリ起動後、楽天会員のユーザーIDとパスワードでログインすると、楽天スーパーポイントを50ポイントプレゼントするキャンペーンを実施。また、4月は「楽天チェック」スタート記念として、毎週土曜日に対象店舗でチェックインするとポイントが2倍となる。さらに、4月2日~4月30日まで、チェックインした店舗で購入したものを写真に撮って、ハッシュタグ「#楽チェク01」と一緒にツイートすると、抽選で20名に10000ポイントが当たる企画も実施する。
なお、記者会見には、「楽天チェック」を導入した時計専門チェーン「ザ・クロックハウス」、専門店の「PARCO」、コンビニエンスストアの「ポプラ」の担当者も登場した。
251店舗を有するザ・クロックハウス 代表取締役社長 大野禄太郎氏は、「時計は一度来店してからの購買頻度が長いため、少しでも来ていただいて認知度を上げていくことを期待している」とコメントした。また、時計の購入に加え、修理などの際にも店舗を思い出すきっかけになってほしいとしている。
パルコ 宣伝部 Webコミュニケーション部 CS/顧客政策部担当 執行役 井上肇氏によると、同社ではスマートフォンを活用したサービスを強化しており、すでに池袋PARCOでサービスをスタートしている。今回のサービスも、まずは導入して成果を検証したいそうだ。井上氏は、「PARCOと新しいお客様をつなげるサービスとして期待している」と話す。
665店舗を展開するポプラ 執行役員 営業本部 本部長兼業革推進室 室長 中間昭登氏によると、「コンビニエンスという業態においては、来店される方が半径500メートル以内、5分以内で来店されるのがほとんどであり、小商圏のビジネスであるため、来店理由をしっかり作っていくこと」が大切であるという。
「楽天チェック」の記者会見に続いて、ポイント研究家で本誌連載でもおなじみのポイ探 代表取締役 菊地崇仁氏、会計士/ベストセラー作家の山田真哉氏、節約アドバイザーの鈴木朋子氏によるパネルディスカッションを実施。菊地氏は、「楽天チェック」について、「ポイントを大きく変える」可能性があるサービスであるとコメント。従来のポイントサービスはリピーターを増やすためのものが中心だが、新規顧客を獲得するツールになり得るとしている。山田氏は、パネルディスカッションの前に日比谷花壇で同サービスを体験したそうだが「このサービスが知らないからびっくりした。数時間の間に110ポイント貯まったことに驚いた」という。鈴木氏は、単純なクーポンではなく、チェックインしてポイントを貯めるサービスが普及すると感じていたそうだが、「そこに楽天が乗り出してきたので、今後も楽しみです」と期待を寄せた。